いわき市議会 > 1969-03-05 >
03月05日-02号

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  1. いわき市議会 1969-03-05
    03月05日-02号


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    最終取得日: 2021-07-12
    昭和44年  3月 定例会             昭和44年3月5日(水曜日)---------------------------------------議事日程 第2号 昭和44年3月5日(水曜日)午前10時開議日程第1 市政一般に対する質問      (代表質問)---------------------------------------本日の会議に付した事件   〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(48名)  1番   四家啓助君       2番   古川洋一君  3番   雨宮幸夫君       4番   永山徳二君  5番   斎藤隆行君       6番   御代武光君  7番   菅波大十一君      8番   佐川正元君  9番   渡辺多重君      10番   三辺 寛君 11番   田口誠二君      12番   多賀重吉君 13番   市橋 武君      14番   星 昭光君 15番   鈴木勝夫君      16番   新妻忠直君 17番   坂本昌蔵君      18番   沢田八束君 19番   山城浅治君      20番   古市寿平君 21番   白土正義君      22番   鈴木 栄君 23番   吉田利治君      24番   渡辺 昇君 25番   中村慶次君      26番   吉田 正君 27番   及川正枝君      28番   新妻信吾君 29番   石井芳江君      30番   小林周喜君 31番   菅野留之助君     32番   鈴木光雄君 33番   石山一治君      34番   長瀬彰義君 35番   橋本 勲君      36番   強口和美君 37番   国井一美君      50番   坂本 登君 39番   小林仁一郎君     40番   緑川万寿吉君 41番   野崎貞行君      42番   合津義雄君 43番   志賀季三郎君     44番   生田目 清君 46番   吉田 栄君      46番   佐瀬 誠君 47番   佐川吉平君      48番   鈴木裕文君欠席議員(0)---------------------------------------説明のため出席した者  市長      大和田彌一君    助役      馬目俊次君  収入役     園部 茂君     総務部長    氏家清三郎君  財務部長    苫米地行三君    民生部長    吉田政吉君  農林部長    吉田信雄君     企画調整室長  嶋崎忠好君  建設部長    但野武義君     教育委員長   田子辰雄君  教育長     大和田道隆君    代表監査委員  小沢要助君  水道事業管理者 鈴木栄一君     水道部長    鈴木憲吾君  消防長     宮沢 庸君     共立病院事務長 高木芳久君---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長    松本茂雄君     事務局次長   加瀬正志君  議事課長    永山 巖君     調査課長    森下繁雄君  庶務課長    宮川公寛君     議事課長補佐  舛田良作君  議事第一係長  鈴木広次君     議事第二係長  鈴木政雄君  主事      片桐正尉君---------------------------------------  午前10時5分 開議 ○議長(志賀季三郎君) これより去る3月1日の会議に引き続き本会議を再開いたします。本日の議事は配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する代表質問御代武光代表質問 ○議長(志賀季三郎君) 日程に従い代表質問を行ないます。通告表記載の順に発言を許します。 6番御代武光君。 ◆6番(御代武光君) 〔登壇〕(拍手)私は新政会を代表いたしまして、市長提出議案並びに市政当面の諸問題につきまして御質問を申し上げます。 本定例会は、財政経過措置終了に伴う最初の議会でもあり、いわき市の第二の発足を迎える記念すべき定例会でもありますので、この際質問に先立ち、わが新政会の態度を議場を通じて市民の皆さまに明らかにしておきたいと考えるものであります。 昨年10月、いわき市の新しい議会の構成を契機といたしまして、それぞれ会派誕生の芽生えがあったのでありますが、われわれといたしましては、各地区とも非常な難関を克服しながらの大同合併であり、しかもこの合併に市民の大きな夢が託されていた現実を想起するとき、合併の精神が新いわき市建設の中で、どのように具現されていくかということにつきましては、最も重大な関心事であったわけであります。そこで志を同じうするものが相寄り「いわき新政会」を結成したのでありまして、大和田市政に対しましては、今後とも是々非々の立場を留保しながら、新市の発展と住民の福祉のために、32名の議員を擁する第1党としての自覚と責任に徹し、議会本来の姿の中において、豊かで明るく、健康な郷土の建設を願う市民の声にこたえるため最大の努力を重ねてまいりたいと考えるものであります。 新市発足以来すでに2年有半、広大な市域とその中に発生する合併後の山積された諸問題をめぐって、大和田市長はまさに悪戦苦闘の連続であったように見受けられるのでありますが、いよいよ健康で市政を担当され、今次の行財政一本化に伴う新市一体性の具現と新生いわき市の建設のために「明るく能率的な市政」「あたたかく親切な市政」「力強く前進する市政」の3本の柱を建て、ますます意欲を燃やし、勇断をもって進んでおられることに対し衷心より敬意を表する次第であります。市長け施政万針の冒頭に、当面する最も緊急なる課題として「新機構への移行とその後の運営の円滑化をはからなければならない」と申されております。財政経過措置期間の終了と同時にいょいよ新市一体化による行政が推進されることになり、この際市長の手腕と力量に期待するところはまことに大きいものがあるのでありますが、今次の機構改革に伴い市民に直結する部門を除き各支所の機構は縮少されて、木庁を中心とした縦割り行政の中で、市民へのサービス低下を来たさないような配慮のもとに相当数の人事の異動が行なわれるものと考えられます。各支所の職員は、長年住み慣れた地域を離れて本庁勤務となることにより、個人的な差異はあるにせよ、環境の変化による心の動揺は見のがせない事実と思われます。以上の観点に立って市長は職員が安心して勤務できるような配慮があってしかるべきであろうと考えられますが、その心づかいについてお伺いしたいのであります。また高令職員の退職によりある程度人事の刷新が行なわれることと思いますが、特定の地域に偏重した人事により地域的な格差を生じさせ、職員の士気を沈滞させるような結果になることは、十分考慮しなければならない重要事でありますので、この点について市長の配慮の示し方について御質問申し上げます。 次に財政問題についてであります。実質8億円にのぼるという歳入欠陥を抱え、市の財政運営がきわめて苦しい状態にあることは、私どもも十分承知している点でありますが、一方では市民等しく各種建設事業の積極的なる実行など、新市の行政に対して大きな期待をもっていることも疑いのない事実でございます。このような現状を前提として、市長は44年度及びそれ以降の財政運営について、どのような具体的な見通しについて、健全財政の確立をはかっていこうとするのか、以下4点にわたってお伺いいたしたいと存じます。 第1には、今回提案された昭和44年度予算編成の基本的な考え方についてであります。さしあたり累積赤字の解消を急がず、単年度収支の均衡をはかることを目標としたい旨申されておりますが、44年度における今後の見通しとして、給与改訂などの追加支出に対する財腺確保をどのような形で行なっていこうとするのか。またその中で特に建設事業に対して、追加投資を行なっていく考え方があるのかどうか、この点について市長の考え方をお聞きしたいと存じます。 市長の説明にもあるとおり、歳入面においては不確定財源の計上を避け、市税及び地方交付税などを中心とした堅実な財源計上を行なったようでありますが、このような財源のみでは、今後予想される年度内の追加要望に対して十分にこたえられないと思いますので、この点をまずお伺いする次第であります。 第2に、当面は累積赤字の解消を急がないとしても、長期財政計画を策定した趣旨からいって、昭和47年度いっぱいには収支の均衡を回復して財政の健全化をはかろうという基本的な考え方に変わりはないと思うのでありますが、昭和44年度においては、どのような具体的方策によって財政健全化をはかろうとするのかお伺いしたいと存じます。すなわち昭和43年度において58歳以上の高令職員の退職勧奨を実施中であるとのことですが、47年度までに450名以上を減員するという財政計画の基本方針に沿い、44年度においても引き続き退職勧奨を実施していこうとする考えがあるのかどうか。また各種団体等に対する補助金の7割計上という当初予算の考え方は、財政計画においてとっている補助金の3割削減の方針に基づくものであり、44年度以降すべてこの考え方によって補助金を抑制しようとするものであるのかどうか等の点について、市長の考え方をお聞かせいただきたいのであります。 第3には財源確保の問題と関連いたしまして、従来各地区において処分を予定していた財産の状況等について若干お尋ねしたいと存じます。今回提出された議案の中にも、旧小名浜第一小学校敷地の処分案件などがあるようでございますが、このような処分可能な財産がまだほかにもあるとすれば、市の行政上格別の支障がない限りにおいて、できるだけ早く処分をして、赤字の解消と財源の確保に役立てていくべきであろうと考えるのでありますが、この点について市長はどのような考え方をお持ちであるか、また処分によって見込み得るおよその金額とあわせお答えいただきたいと存じます。 なお、この問題は一部地区の赤字の引き継ぎに関連する重要な問題でもありますから、できればこの際、各地区の決算見込みの数字を明らかにした上で、今後の見通しと関連させて御説明いただきたいと思います。私はもちろん赤字地区と黒字地区をいつまでも市行政の上で区別せよと主張するものではありませんが、タッチゾーンの総決算として地区財政の現状を明らかにしておくことが、いわき市政の一つの区切りであると考えますので、この点についてお尋ねをする次第であります。 第4は、同じく財源確保の問題と関連いたしまして、国及び県に対する働きかけについてであります。言うまでもなく現在は国の地方財政に対する考え方いかんによって、市の財政が大きな影響を受けることが避けられない仕組みになっているのでありますが、最近、国の一部において、地方財政は豊になったという認識に立って、地方交付税率の引き下げその他地方財政を圧迫するような制度改正の動きがあるように見受けられるのであります。特に地方開発に関連する国庫補助のかさ上げ措置を打ち切ろうとする考え方もあるようであり、新産都市建設の第一線にある私どもとしては、まことに心外であるといわなければなりません。いわき市が今後大きく発展していくためには、自主的な努力による赤字解消と併行して、建設財源の充実については強く国及び県に訴えていかなければならないと思うのでありますが、この点に関する市長の考え方をお尋ねしたいと存じます。 福島県の44年度一般会計予算の規模が約910億円であり、いわき市の一般会計予算の約10倍であります。福島県の面積の10分の1と県人口の6分の1を有するいわき市、しかも県土開発の中核的存在であるいわき市が、この程度の予算規模で満足していてよいのでありましょうか。市町村行政に対する国の誤った認識を打ち破り、地域の中核的都市であり日本一の広域都市であるいわき市に対する重点的な財源配分について、さらに強く国に働きかけるべきであろうと考えますので、市長の明確な所信をお伺いする次第であります。 次は道路網の整備拡充についてであります。最近わが国における自動車の台数は、急激にそして加速度的に増加の一途をたどっており、これがため自動車の走行速度の低下交通の麻痺、交通事故の増加等多くのいまわしい事態が招来されていることは、まことに残念なことであります。これは国民経済の上昇に伴う自動車の生産量並びに購買量の増加と国県道を含めての道路整備のアンバランスのもたらすものであり、自動車の増加に道路が追いついていけない結果の所産でもあります。このたびの当初予算を拝見いたしますと、道路の維持及び改良等に対しましては、前年度予算よりは大幅に増加計上されており、市道の統一管理方式がなされて、道路等のパトロール体制の確立や、モーター・グレーダーの新規2台購入等、市長はきわめて積極的に道路行政に取り組んでおられることは、まことに喜ばしい限りであります。しかし、ひるがえってわがいわき市の道路の現況を見ますときに、道路の総延長3,240キロメートルのうち、舗装率がわずかに120キロメートルで全体の3.7%、改良率が410キロメートルで全体の15.7%であり、橋梁については1,400橋に対して、永久橋は421橋でようやく30%でありまして、これは全国市道の平均に比較してきわめて低い水準にあります。当市は日本最大といわれる広大な面積を持ち、この水準の引き上げについては、なかなか容易ならざるものがあることは十分承知できるわけでありますが、緑と太陽と空間の都市として、外部に誇れるようになるためには、まず第1に道路の改良整備が緊急であると考えられます。従来旧14市町村は、それぞれの使命のもとに真剣に道路行政に取り組んで来られたのでありますが、合併後の時点に立ったときに、縦の線、横の線のバランスがとれておらないきらいがあり、地域開発に大きな障害となっていることは周知の事実であります。いまやわがいわき市は、新産都市として行政的にも経済的にも真の一体化をはからなければならない時期を迎えております。それには道路網の整備をはかり、改良を加え、機構改革に伴う市民の距離感を少なくし、同時に地域格差の是正をはかることが、市民に対する最大のサービスであると考えられるばかりでなく、新市発展のための重要不可欠の要件であることは、高山教室の指摘以前の問題であります。 近時国や県におきましては、道路整備5カ年計画等の年次計画を立て、時期的な目標を定めながらその完成に努力しているようでありますが、市長は国県に準じて、市道整備5カ年計画を樹立して、積極的に道路行政に取り組み、産業基盤の整備に万全の策を立てる考え方があるかどうか、この点についてお伺いをいたします。 なお東大高山研究室からも、新市幹線道路のビジョンについては、今回提言のあったところでありますが、とりあえず県道平-磐城線を国道49号線に昇格させて大幅に拡幅するとともに、常磐バイパス内郷バイパス等を早期に実現できるような運動を起こし、さらには勿来-弥彦線の国道整備をはかるなど、麻痺寸前にある自動車交通の緩和をはかるべきと思うが、これに対する市長の方策についてあわせてお聞かせを願いたいと思います。 次に水資源の確保についてお伺いいたします。昔から「水を治むるものは国を治む」のたとえがありますが、その意味で急増する各種用水の需要に対応すべく、昨年12月、常磐地区広域上水道事業基本計画調査報告書をまとめられたことは、まことに時宜を得たものと存ずるのでありますが、その提言の中で特に生活用水の確保の問題に触れ、45年から50年までには絶対量として1日4万800トンの不足を生ずると予測しているようであります。これはまことに重大な提言でございまして、一日も早く対策を講ずる必要があると思いますが、50年次、60年次の長期計画を含めて、当局はこの勧告をいかに取り上げ、どのように処理していこうとするのかお聞かせを願いたいと存じます。なおこのことについては、従来の既得水利権を固定化せず、鮫川水系、夏井川水系の水資源を効率的にいかに調整利用するか、ということが大きな課題であると思われますが、その構想についてあわせてお尋ねをいたします。 次に農業振興対策について市長の所見を承りたいと思います。農業者の欲求するものは、都市勤労者と均衡のとれた所得が得られ、かつ主婦、老人は営農の重労働から解放され、主婦は家事育児に専念することができ、老人は安心してその老後を送ることができることであります。このことはとりもなおさず必然的に資質の高い農業後継者が胸を張り、希望をもって農業に専念することができることでありまして、この環境の実現こそ農業発展の基本的な問題であろうと思料されるのであります。農村は人類の歴史を通じて一国の経済発展の基盤をなしているばかりでなく、生活文化の形成にも大きな役割りを果たしてきていることは、御存知のとおりであります。そしてまた農業は、単に国民の必要とする食糧その他の農産物の生産の場であるにとどまらず、市民の人間形成や憩いの場として、社会の中に正しく位置づけられるものでなければなりません。しかしながらいわき市農村地帯の現状に立つとき、以上のような理想要件に到達するについては、ほど遠い感があるのであります。無計画な市街地の膨張、工場の建設による農地の改廃、あるいはそれに伴う公害の発生等は、まことに憂慮される現況にあり、いつ自分の経営する農地か工場敷地になり、住宅敷地になるかわからないきわめて不安定な毎日を送っている地帯もあるわけであります。本市農政の振興については、基本的方向としてすでに経済会議より答申指向のあったところでありますが、農業所得増大の施策として、農業の地帯別集団生産団地の造成をなし、これを中心に生産体制の整備、近代化、そして技術の導入をはかり、あわせて農協等の合併充実をなし、資本装備の高度化による生産性の向上こそまさに急務であると考えられるが、当市における農業振興の施策について、市長はどのように考えておられるかお伺いをいたします。また、土地改良事業等に対する補助率を全市にわたって50%まで引き上げられたことは、まことに欣快にたえないところでありますが、さらにこの補助率の引き上げについて考えておられるかどうかあわせてお尋ねをいたします。 次に社会福祉の分野について申し上げます。この分野における新年度の施策については、市長の積極的姿勢がうかがわれ、大いに敬意を表するものであります。まず敬老年金支給年令の3歳引き下げをはじめとして、母子奨学資金の全市適用、また利用者の実態を踏まえた公益質屋の廃止にかわる生活資金貸付事業の創設、あるいはまた低所得者階層を対象とした助産施設や身障者家庭奉仕員派遣事業の開始等、きわめて困難な財政事情のもとにあって、社会福祉の充実を目ざす市長の熱意のあらわれを如実に見ることができるのでありますが、さらに次の点についてお尋ねをするものであります。 その第1は少年センターについてであります。少年センターは、少年機関団体及び民間有志者の合同活動により少年の非行化防止をはかり、健全な育成を推進するための拠点として、見るべき成果を上げているところでありますが、これをひとり平地区のみにとどめず、主として問題点の多いその他の市街地域にも活動範囲を拡大する必要を痛感するのでありますが、遺憾ながら当初予算にはその計画が見られないのであります。市長は将来とも少年センター補導活動区域についてどのように考えておられるか、その構想につき明らかにしていただきたいのであります。 第2は衛生部門についてであります。政府は昭和46年度末までに全人口の90%のし尿処理とごみの75%を焼却処理する方針につき、去る2月20日の閣議により決定したようであります。そして46年度までに1,330億の投資を予定しておりますが、そうした前提に立って次の点につき御質問を申し上げます。 このたびの予算によれば北部し尿処理場の建設費をはじめ、し尿処理改善のための車両整備等、衛生行政の充実についての市長の努力は認められるところでありますが、常磐、勿来の各施設が共に老朽化し、その処理能力も限界に達し、今後は逐次その機能も減退していくものと思われます。南部地区についてのこの種の計画はどのようになっておりますか、この点についてお伺いするものであります。またごみ処理についてでありますが、収集のための車両が相当不足しているように見受けられ、地区によっては週1回以上の収集が不可能な実情にあるとも聞いております。特に夏期においては、伝染病の発生源となるこん虫発生防止の面からも、少なくても週2回以上の収集は最低必要と思われますので、1回収集地区に対する今後の対策についてもあわせてお聞かせを願いたいと思います。 衛生部門最後のお尋ねは、火葬場の使用についてであります。市内の場中、磐城苑のみが無料と提案されておりますが、これは市民負担平等のたてまえから、あるいは長年この地域に住み、そして活動してくださった方々の最後の労をねぎらうためにも、いわき市民に関する限り全火葬場について、等しく無料扱いにすべきものと考えられますが、市長の御見解を承りたいのであります。 次に教育行政について御質問申し上げます。世界的未来学者であるアメリカ・ハドソン研究所長ハーマン・カーン博士は、「来たるべき21世紀はアメリカのものでもソ連のものでもない。それは日本の世紀である」といっております。博士は世界の驚異であるわが国の経済伸張率の上昇をもたらす秘密の一つとして、日本の教育の普遍化をあげておりますが、まさに教育の果たしている役割りは、社会の発展、国家の繁栄の中できわめて大きいものがあります。福島県においても木村知事が「人づくり」を県政の柱の中に入れて、当面の重要問題として取り上げておるわけでありますが、当然いわき市においても、教育は重要施策の一つであろうと思うのであります。現在いわき市には14校の県立高校、2校の私立の高校、また県立定時制高校4校が併置され、その生徒数は約1万6,500人であると聞いております。そのうち約3,000人の生徒が大学への進学を希望している実態であります。しかるに当市には短期大学が1校、同性質の国立福島工専校が1校で、これら進学希望者は遠く故郷を離れ、ふなれな土地で勉学にいそしんでいるのであります。また学生の家庭では生活が二重になり、多額の出費を余儀なくされているのであります。もし当市に大学が設置されてあれば、こうした心配もなく、親の手元で勉学させることがてきるのでありまして、高山研究室のアンケートの中で、施設として一番先に市民が欲しているものの中に大学があげられていることは御存知のとおりであります。最近の大学紛争を契機として、大学の制度そのものに対する改革案等も現在練られているようでございますが、市長は当市に総合的な大学誘致の意思があるかどうかお伺いするものであります。 第2には、これと関連していわき学生寮の強化拡充であります。当市に大学が誘致されたとしても、なお相当数の学生が首都圏に集中されることはいなめない事実であります。現在学生寮入寮について市民の要望を満たすについては、九牛の一毛の願いといわざるを得ません。最近全国各市において、学生寮の充実拡張をはかっているようでございますが、この点についての市長の所信をお聞かせ願いたいと思うものであります。 第3は奨学制度についてお尋ねしたいと存じます。現在当市においては、品行が正しく、学業にすぐれ、身体が強健であり、かつ経済的に修学が困難と認められるものについては、奨学金の貸し付けを行なって喜ばれております。しかし現在は、旧市町村が行なっておりました制度をそのまま行なっており、近々のうちに一本化していくように聞いておりますが、現在の貸し付け月額を見ますと大学3,000円、高専工で1,000円から3,000円そして高校生は1,000円から2,000円となっております。近年わが国経済の成長は目ざましく、これに伴い公共料金を含め物価の高騰は目をみはるものがあります。このようなときに何年か前に定めた貸し付け額をそのままにしておくということは、この制度本来の趣旨からいっても一考を要するのではないかと思われます。この際奨学制度の一本化にあたり、現行制度を再検討し、自宅からの通学者、自宅外からの通学者については、その出費もおのずから異るものと思われますので、貸し付け金額の増額等も含めどのような形で一本化をはかろうとするのかお伺いいたします。 第4は幼児教育についてであります。現在市内には11の公立幼稚園が設置されてあります。これを地区別に見ますと平1、磐城1、常磐5、四倉4となっております。これはいずれも合併前に設置されたものであり、合併後は設置の動きさえ見られない現状であります。最近、幼児教育の重要性が強く叫ばれており、また教育の機会均等、教育の格差是正の問題も新市に課せられた大きな命題の一つであります。たまたま耳にいたしましたのは、某公立幼稚園の応募者は募集人員の約2倍にものぼっているということであります。このように公立幼椎園の不足している現況にかんがみ、市長は幼稚園の設置についてどのように考えておられるか、お伺いをするものであります。 商工振興対策についてお伺いをいたします。いわき市内の商店数は昭和41年度末で5,458で、県内商店数と比較すると約17%を占めており、年間販売額も約700億円の多きに上っております。また工業の出荷額を見た場合、同年度の調査からすれば、いわき地区は715億で実に県総額の25%を占めております。しかしながら一昨年のポンドの切り下げを契機とするきびしい経済界の影響を受けて、当地域の大方を占める中小企業は、経営の近代化と体質の改善を余儀なくされておることは御承知のとおりであります。今回の予算を拝見いたしますと、市長は金融機関に対する預託制度、あるいは商工会議所、商工会に対する助成等を計上されているようでございますが、あの程度の金額では決して十分とは言われませんので、今後の施策についてお尋ねをしたいと存じます。 次に観光開発についてでありますが、当市は東北の表玄関であり、高山研究室報告の中にも新市建設の中心軸の双壁として、レクリエーション軸を取り上げており、いわき七浜、湯本温泉、それに湯の岳を結ぶいわゆる山と海を結ぶ観光をビジョンにしているようであります。すでに常磐ハワイアンセンターの開設に伴って、当地方に対する観光客は年々加速度的に増加の一途をたどっておりますけれども、残念ながら市内の一般の観光地については、あまりいい評判をいただいておりません。合併直後でもあり、市民の財政需要が非常に強い現状からして、いますぐこの種地域の整備をはかることは、きわめて困難な事情にあることは了承できるのでありますが、このままに放置するとすれば、市内の観光地は無計画に蚕食せられ、その自然美をそこなう結果にもなりかねないと思うのであります。したがって、施設の点については年次計画にゆだねるとしても、せめて用地だけでも何らかの形で確保しておくことができないものかと考えられるのであります。市開発公社運用の関連等も含めて、市長の考え方について承りたいと思うのであります。 次は職員の綱紀粛正についてお尋ねをいたします。最近交通量の増大とマイカー族の激増に伴い、当局の数次にわたる交通安全教育にもかかわらず、職員の酒酔い等による交通事故があとを断ちません。また公務員としての自覚欠除による不祥事件の発生等まさに許し難い行為であり、これら行為に対する当局の措置については当を得たものと考えております。聞くところによれば、先般総務部長名をもって公務員の倫理高揚のため、全職員に対して綱紀粛正についての厳重通達がなされたようでございますが、通達後における職員の心がまえと日常の勤務状況はどのようになっているか。また今後職員の綱紀粛正については、市長はどのような態度で臨むのか、所見を承りたいと思います。 最後に本庁舎の建設について、市長の御見解をただしたいのであります。このことにつきまして、まず前提は本庁舎の位置にかかってまいりますけれども、合併時点の申し合わせといたしまして「新市発足後適当な時期に定めることとし、その時期方法については県と県議会に一任する」ということになっておりますことは御案内のとおりであります。そこで従来までの当局と議会の一般質問等を通しての接触を見ますと、市長としては時期尚早であるとの見解に立っておられたようでございますが、いまや財政経過措置期間も終わろうとし、今次の機構改革に伴う本庁舎の行政的位置づけは、まことに大きいものがあります。もちろん合併前後にわたる地区財政のひずみのために、現時点における財政需要はきわめて大きく、本庁舎建設よりも実現を急ぐべき事業が山積していることは肯定できるのでありますが、現在の本庁舎の構造と配置は古い校舎のお譲りであり、分室また分室の連続であって、職員の作業能率をはなはだしく低下させているばかりでなく、ひいては市民サービスへの低下にまで及んでいるのではないかと危ぶむものであります。市長は施政方針の中にも「明るく能率的な市政」をうたわれておるようであります。現在のいわき市の財政事情の中からは、決してぜいたくな建物を望むべきではありませんが、それにしても建設にかかるとすれば調査、設計、施工を含めて少なくとも最低2年程度は必要なものと思われます。高山教授の報告にもありますように、新市整備の基本構想を樹立するにしても、まず本庁舎の位置づけが焦眉の急であると考えられます。市長は本庁舎の位置の決定と建設について、現在いかなる考え方を持っておられるかお伺いをいたします。 以上で質問を終わりたいと思いますが、わが新政会は常に市民の立場に立ち、理論と実践を合致せしめながら、あしたのいわきを目ざして価値ある末来像を築き上げるため、今後とも努力を重ねてまいるものであります。 最後に大和田市長の御健康と御活躍を祈り、力強く前進する市政をこい願って私の質問を終わります。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) 〔登壇〕6番御代議員からの各般にわたっての御質問にお答え申し上げますが、お答え漏れのところは再指摘をしていただきまして、補足御説明を申し上げたいと思います。 第1点は、機構改革に伴う人事の問題でございます。4月1日からいよいよ行政組織の一本化をはかり、新市一体の行政をやっていくために機構改革をいたすことになり、過般の臨時市議会におきまして御承認を得たわけでありますが、それに伴って人事の異動が行なわれるわけでございます。これにつきましては、いわゆる適材適所主義を貫くことはもちろんでございます。各地域の格差というようなことがないように特に意を用いていかなければならんと考えております。各職員のうちにいろいろ不平不満がございますと、それが仕事の能率にも大きく影響するばかりでなく、今後の市政に大きくマイナスになるわけでありますので、そういう点のないように私も努力していくことはもちろんでございます。それで今回高令職員の退職勧奨をしておりますが、これによって若い、しかも有能な職員の責任と自覚を促して、はつらつたる市政の運営に当たりたいと考えているわけでございます。 第2点は財政問題でございますが、43年度におきまして赤字はむしろ42年度よりも累増しているという中にあって、市の建設的な投資をますますふやしていかなければならんという願望を達成するためには、まず赤字を解消するという努力はもちろん必要でございます。過般行財政審議会に諮問いたしまして、47年度までには赤字を解消する方向づけをしていくべきである、という答申を得たわけであります。一挙に赤字を解消するということは、現実問題としてできないばかりじゃなく窒息してしまうわけであります。そういう意味で必要な経費は積極的に計上せにゃならんのであります。したがって、消費的経費を極力抑えて、市民の福祉のための積極的な行政をやっていかなければならんと考えております。したがって、赤字解消に拘泥することなく、その赤字解消の長期計画にのっとって、積極的に市政を運営していくというのが私の考え方であります。また行財政審議会の答申もさように結論を得ているわけであります。私はこの答申に従って進めていきたいと考えるのであります。 なお退職勧奨は44年度にも引き続き行なうのかというおただしであります。現在58歳以上の者の退職勧奨をしているわけですが、この方針は今後とも続けていきたい、こういうふうに思うのであります。 なお各種団体その他の補助金を44年度当初予算で70%にしたことについてのおただしでございます。これは、44年度は70%で抑えていくという考え方ではございません。補助金を全面的に70%で計上いたした理由は、現在タッチゾーン中の補助は、各地区によって非常にでこぼこであり格差がございますので、各団体の事業等をよく精査して格差のないように、しかも団体の事業の実績に応じてこの補助をしなければならんという考えから、一応70%の補助金を計上いたしました。その後において、新年度早々審議会等を設けまして、補助の対象になっておる団体あるいは事業等について、十分格差のないような方向づけをしていかなくちゃならん。それによってあるいは増額、あるいは70%に抑えるというふうな調整をはかるために70%にいたしたわけでございます。今後44年度当初におきまして、補助のあり方等を再検討していきたい、こういうふうに思うわけであります。 次に、市有財産で処分可能なものがあるならば、赤字解消の一環としてもこれを処分すべきじゃないか、そういう財産が現実にたくさんあるのかという御指摘でございます。このことにつきましては若干ございます。たとえば植田小学校跡地のような処分可能なところもありますが、現状ではそれ以外にまとまった処分可能な土地というものは、ほとんどないのであります。小さい可処分土地はありますけれども、財政に大きく寄与するだけの処分可能な土地というものはほとんどないのでございます。ですから、今後の財政再建のためには、財産処分によってそれを埋めていくということはなかなか困難であると、こういうふうに思う次第でございます。 次は、タッチゾーン最終年度である43年度の各地区の決算見込み数字を明らかにすべきではないかというおただしでございます。御承知のように正確なところは5月出納閉鎖をした上でなければわかりませんが、およそのところは近いうちにわかりますので、近くお示しを申し上げたいと考えております。 なお、財源確保のために国、県に対して、もっと強く当たるべきではないかというおただしでございます。ごもっともでございます。仕事をやるということのためには、まず財源を確保しなければならんというところから、市長の仕事の大部分はむしろ財源確保のために狂奔しておるというのが現況でございます。それには県あるいは国の各機関に対して常に努力をし、なお国会議員等のお力をお借りいたしまして、今後なお一そうの努力をしたいと思っております。43年度の特別交付税につきましても、当初の予定では42年度から大きくダウンするんじゃないかという心配がございましたが、国会議員等のお力をお借りいたしまして、お蔭さまで大体昨年に近い2億2,261万4,000円という特交を得ることができたわけであります。今後ともなお一そう各事業に応じて財源確保に努力したいと考えているわけでございます。 さらに財政全体から申しまして、もっと積極的に予算と組むべきじゃないか。たとえば県の44年度予算は910億である。人口が大体県の6分の1であるならば、それに見合う金額ということであれば百二・三十億になるんじゃないかという御指摘でございます。県の財政と市町村の財政比率を申し上げるならば、42年度の決算状況は県が大体750億、県下の市町村全部合わせまして430億でございますから、県の規模と市町村の総額との間にはだいぶひらきがあるわけでございます。なお、申しわけになるかも知れませんが、県下の市町村といわさ市の人口比率から申しますと、いわき市は大体県下の市町村の6分の1を占めておりますが、財政規模は42年度が県下市町村の430億に対し、いわき市が88億ですから、5分の1であるというふうに見られるわけであります。しかしながら、いわき市の大きい財政需要から考えますと、われわれは今回組んだ予算をもってしては、なお大きく不満なのでございます。今後財源確保をはかりながら、追加財源をもって積極的に市の事業を遂行していきたいと思うのであります。今回はおよその確定分を財源として組んだわけでございまして、今後年問におきまして追加財源の確保をはかりながら、市伸展のために予算を追加いたしたいと考える次第でございます。 次は道路行政等についてのおただしでございます。県下の道路を見ますと、たとえば県道は3,400キロですが、いわき市の市道は3,240キロと、ほとんど県道に匹敵するだけの市道を持っておるわけであります。しかもその道路は、まことに整備がおくれているわけであります。そのために長期計画を立てて、財政計画と相対応していくべきじゃないかというおただしで、ごもっともでございます。その点については、実は計画を目下立案中でございます。この長期計画が案としてまとまりましたならば、議会等におはかりいたしまして十分御審議を願いたいと思うのでございます。それによって初めて道路の改良計画、あるいは橋梁のかけ替え等についての構想が明らかになりますので、それによって道路、橋梁の整備をはかりたいと思います。特にいわき市のように合併して非常に広範囲な地域においては、何と申しましても、市政の一体化をはかるためにも道路の整備によって、市民の足を確保するということが大事であります。またそれが、いわき市の市政が一つのまとまりを持った市民としての生活ができるのじゃないかと考えるわけであります。今後道路、橋梁その他の交通機関の整備については、特に努力をはらいたいと思います。 これに関連いたしまして、県道あるいは国道の整備については、県あるいは国におきまして整備する事業でありますが、特にわれわれといたしましては、むしろそういう面に努力をはらって、交通の渋滞を防いでいくということにしなければならんと思います。御指摘のように49号線も現在のところは、どうやら交通渋滞ということはありませんが、これも近いうちに交通渋滞になるおそれがあります。特に現在困っているのは6号線であります。6号線につきましては、いま勿来から平までのバイパスを計画中で、土地買収等もすでに勿来地区は行なわれておりますが、これも早期に完成しなければならんのでございます。実は国道事務所からの申し入れも口頭でこざいます。いち早くこれを完成するためには、用地買収等において市の協力をお願いしたい。あるいは市において先行投資等をしておいてもらって、国がそれを引き受けるということも考えられるので、そういう点について協力を願えるかどうか、という相談もあるわけであります。この点については、われわれも積極的に協力するという立場から、むしろ開発公社等を活用いたしまして、道路用地に先行投資をして、それを国に引き継ぐというようなことができれば、完成年度も早くなるという考え方から、目下国道事務当局と協議中でございます。なお、内郷バイパスの問題につきましても、これは県道として計画中でございますが、遅々として進まないのが現況でございます。これにつきましては、県に対してわれわれの気持を訴えまして、一日も早く完成されるよう努力いたしたい。その他県において施行中の道路も一日も早く完成するように特に県にお願いをしなければならんと思いますので、議会の皆さまにも十分御推進、御協力をお願いしたいと思うのであります。 次に水資源の問題であります。過般、日本水道コンサルタントにいわき市の特に上水道についての構想につきまして、調査を委託したのであります。御指摘のように現在をもってするならば、昭和50年度には大体4万トン、55年度には8万トン、60年度には10万8,000トンの水不足を生ずるので、これに対する手当を今後とも十分していかなければならんのであります。今回提案を申し上げ、また43年度の補正予算にもお願いいたしました水道拡張計画が、45年度に完成するわけでありますから、当分の間は余剰用水も出るのでありますが、しかしながら、もうすでに50年度になりますと、ただいまも申し上げたように4万トンも不足するという現況であります。これについては夏井川水系の開発、鮫川水系の開発、支流小玉川あるいは好間川、四時川その他の支流河川の活用をはからなければならんのであります。そういう総合計画をたてながら進めなければならんのでありますが、これには御指摘のようにいろいろ水利権の問題がございます。この水利権問題等はわれわれとしても十分前提におき、水利権者と話し合いをしながら、しかも農業用水等に不便を感じないようにしながら進めなければならんのであります。今後われわれとしては、さらに積極的に取り組んでいかなければならん現段階でございますので、一応の案ができ次第議会等にも十分御相談申し上げたいと思います。 次に農業振興につきましてのおただしでございます。市内の農業と申しましても非常に広範囲にわたっております。山林地帯は何と申しましても森林行政であります。その周辺は蓄産行政、それから特産物でありますところのコンニャク、たばこ等がございます。近郊農業としては、蔬菜園芸が中核であり、また果樹、花卉等の振興をはからなければならんのであります。そういう面につきましての技術的な指導が非常に立ちおくれているのが現況でありますので、技術指導に特に重点を置いてこれから行なわなければなりません。予算面においてそういう点も若干ございますが、なお一そうこの点に力を尽くし、その方策等について十分研究していきたいと思うのであります。技術指導につきましては、農協等を活用することが一番よいのじゃないかと考えております。そういうためには農協と協力体制を整えながら、指導のための資金を農協に補助あるいはその他の方法によって、活動できやすいような基盤をつくっていくということが、一つの方法じゃないかというふうに考えております。しかしこの点については、なお検討を要するので、われわれも十分検討の上、技術指導について方策を樹立していきたいと考えております。 なお農協の基礎を確立しなければならんという立場から、農協の合併あるいは森林組合の合併等について、目下いろいろ話し合いが続けられつつありますが、農業団体の強化育成のために努力をはらっていくということが、やはり農業振興の大きな使命と考えます。 なお農業振興は何と申しましても、総体的にいって生産基盤の充実と経営規模の拡大が根本的な問題でございます。こういう点につきまして、市の行政としてやるべき範囲はおのずから限定されるので、国あるいは県等を通じまして、そういう振興対策について具体的な実行方法をわれわれとして推進していくよう努力をはらいたいと考えるのであります。 なお、土地改良その他の部落に対する補助率の問題でありますが、今回は50%にいたしたのでありますが、今後は財政のゆとりができ次第、補助率の引き上げ等も考慮に入れていかなければならんと思います。しかしこれは一挙にするわけにはまいりませんので、逐次そういう方向づけを十分検討していきたいというふうに思うのであります。 次は少年センターの拡充につきましてですが、合併前に平市に少年センターの施設ができまして、この地域の少年の補導あるいは少年問題等の各団体の協力を得ながら推進してまいっております。これをいわき市全域に広げることについてはどうかということであります。44年度においては、人件費等の問題もございますので、この活動範囲をいわき市全域に及ぼすことにはいたしているのでありますが、それに伴ういろいろの指導のための職員の充実等がまだ足らんのでございます。現況を打破するために45年度においては、ぜひそういう面において実質的に活動できるような予算措置を講じたいと思うのでございます。 次に環境衛生につきまして、北部においてはし尿処理場ができ、南部においては非常に老朽化しつつあるが、これを整備する考えはないかということであります。御指摘のように常磐におきましても、あるいは勿来におきましても、一応し尿処理場の施設が行なわれたのですけれども、もう老朽化しているというか改築をしなければならん。また設備の更新をしなければならん時期にきております。非常に膨大な経費がかかるわけでございますが、われわれはこれをやらんというのではなくて、今後そういう方面にも特に力を入れて、し尿処理場の整備をはからなければならん時期に達しつつあるわけであります。44年度においてはむずかしいが、その後の年度において考えていきたいと思うのであります。 ごみ収集等につきまして、いわゆる収集するための車が足らんということ、御指摘どおりであります。今年度も収集車を整備することにいたしましたが、なおかつ足らんのでございます。これにつきましては、ぜひ収集車をふやすということと、各地区住民の不満を解消するためにいろいろの方策を講じて、ごみ収集に万全を期していくというふうにいたしたいと思うのでございます。なお週1回を2回にするという考えについてのおただしであります。現況におきましては、これ以上回数をふやすことはなかなか困難でございますが、もちろんこれにつきましては、将来のために収集車の増車によって回数をふやしていくというふうに努力をはらいたいと思うのであります。 次に火葬場の問題でございますが、旧磐城市においては、前々から無料であったわけであります。他の地区においては有料で非常に格差が生じている、おかしいじゃないかという御指摘で、ごもっともでございます。これを無料にするか有料にするかということは、私たちも考えていかなければならんので、今後の検討に待ち格差のないように努力いたしたいと思うのであります。 次に教育行政について、大学設置についてどう思うかということであります。これはいわき市誕生前から各市町村において、大学を設置すべきである、大学を誘致すべきであるという話し合いが種々あったわけであります。そういう意味で、われわれは大学誘致についていままで努力をはらってきたのでありますが、なおできれば官公立の大学を誘致したいと考えているのであります。大学の形体としては、できれば工学系統の大学を誘致したいと思っているのであります。それについては関係者と何回も陳情申し上げたが、今後とも努力をはらいたいと思うのであります。 次に奨学制度が各地区ばらばらであることは御指摘どおりであります。これを44年度において統一することは困難であったわけでありますが、45年度からは統一していきたいと思うのであります。なお奨学金の金額等については、数年前にきめた少額の奨学金では不足じゃないかという御指摘です。このことについて、私はむしろ大学は主として日本育英会を通じて奨学制度を拡充してもらい、高校等については市において、もっと手厚い育英制度を確立すべきではないかと思うわけですが、なお今後の検討に待ちたいと思うのであります。 次は幼稚園を増設する考えはないかということでありますが、まず同じ教育機関ではございませんけれども、むしろいわき市内においては、社会福祉の意味から保育所の充実に努力をはらっていきたい。保育所が非常にアンバランスであります。ある地区においては非常に充実しており、ある地区においてはほとんどないところというようにアンバランスの状況になっております。私としては、むしろ保育所を充実して、勤労家庭の幼児のための教育を兼ねた保育制度を充実していくことが大事じゃないか、それが充実した暁において、幼稚園等の充実をはかっていくことにいたしたいというのが私の考え方でございます。 次に商工振興関係で、今回信用保証協会の預託2,000万円は非常に足らんではないかと、御指摘どおりであります。しかしこれに限ったわけでなく、いままでもやっておったことですが、市の会計のうちで年度内で短期の預託を金融機関あるいは金融団体等に預託していくということによって保管していきたい。そういうものを相当拡大していくように努力したいと思うのであります。信用保証協会を通じてのいわゆる貸し付けのほかに、そういうことも十分考慮に入れながら、金融の円滑化をはかるための努力をはらいたいと思うのであります。 なお商工振興のために商工団体等を通じ、あるいは県を通じて、企業の診断あるいは指導に今後とも努力をはらわねばならんのであるが、44年度においては、指導面の努力はあまりあらわれないという御指摘でございます。私は目下商工会議所等を通じてこういうことを県に要望しているのであります。いわゆる中小工業の技術指導のために、県立の工業試験所あるいは工業指導所をつくるべきであるということを商工会議所とともに要望しているわけであります。現在の中小工業者にとっては、指導が一番大事であります。そういう高度な技術を持った者がたくさん業界内にはいないので、どうしても指導面の充実をはかるため試験所、あるいは指導所をつくっていくというふうにしたいということで県に要望しております。これはぜひ実現するよう努力をはらって、中小工業者のための指導機関をつくっていくようにしたいと思うのであります。 次に観光開発について、特に観光のために用地を取得しておく必要はないかということでありますが、いま直ちにどのように取得していくかという見当はつかないけれども、場合によってはそういうことも十分考えられます。しかし観光については、自然の景観を害することなく、しかもルート観光がこれらの観光立地になり、レクリの場として必要であります。そういう意味で、観光のためを兼ねた産業道路の整備によって、南は勿来の県立公園から田人、湯の岳、水石山、夏井川渓谷、小川、こういうようなルート観光の整備のために、じみちなことですが精力を尽くしていきたいと思っております。幸いにして林道開発等において、相当その目的が達成せられつつありますが、なお一そうそういう点についての努力をはらいたいと思うのであります。 次に綱紀粛正の問題について。不祥事件がどんどん起きている、こういう面の防止のためにもっと努力をはらうべきであるという御指摘もっともであります。たとえば交通禍というか、いわゆる違反事犯が相当積み重ねられていることは、まことに市民に対して申しわけないと考えております。綱紀粛正のためには、やはりそういう違反者に対しては厳正な立場でいくとともに平素常に市の職員であるという自覚を持っていなければならんのであります。厳正な立場をとると同時に、やはりあたたかい気持で職員の自覚を促していくということに今後とも努力をはらうことをお誓い申し上げたいと思うのであります。 最後に本庁舎の問題でございますが、このことにつきましては、まだ機が熟してないということを私は常に申し上げているのでありますが、タッチゾーンも切れて本当の新市一体になっていくという段階において、庁舎の位置もきめないでおくということは、市民に対してまことに申しわけないと考えております。特に本庁舎としての事務の能率が下がるという御指摘ごもっともであります。行財政審議会においても、庁舎をできるだけ早く整備しろということが答申されております。私としましても、庁舎の位置等についての考え方というものがいろいろございますけれども、この点については決してなおざりにすることなく、今後前向きに検討していきたいと思う次第であります。以上でございます。 ○議長(志賀季三郎君) 6番。 ◆6番(御代武光君) たいへんに御親切な答弁をいただきまして、おおむね満足でございますが、なお二・三点について簡単に御質問いたします。 勿来-弥彦線について先ほどお伺いしたのでありますが、聞くところによれば当市は期成同盟会の副会長になっていると聞いておりますので、現在の進行状況についていま少しお聞かせ願えれば幸いと思います。 農業振興対策について、地帯別の集団生産団地をつくるべきではないかというふうな質問を申し上げたわけでありますが、そのことについて答弁が漏れておりますのでお伺いいたします。 先ほどの市長答弁に関連いたしますことですが、国は全国総合開発の第四次案の提出を終わって、ようやくこの計画も大詰めの段階に入ったと思われるのでありますけれども、その中で始めて新産都市の位置づけが明確にされたようであります。さらに県としては、2月定例県議会における知事答弁の内容によりますと、県政振典計画も多少手直しをしなければならんということで、その作成を急いでいるということも申されております。こうした一連の客観情勢の推移と先ほどの市長の答弁内容からして、当然合併時点において作成したところのわがいわき市の新市建設計画につきましても、これにかさ上げをした市独自の長期計画作成の時期がすでに来ているのではないかと判断されるわけであります。この点について、市長の所信のほどをお聞かせ願いたいと思うのであります。 なお新産都市計画の昭和42年度の進捗状況並びに44年度までの計画について、資料があればあとでけっこうですから御提出願いたいと思います。先に自治省の調査対象に当いわき市がなったということですでありますけれども、その内容とアウトラインと問題点についてお聞かせ願えれば幸いです。 火葬場使用料の全廃について申し上げたわけですけれども、このことについて実績を昭和42年度に求めますと150万5,000円の使用料が入っております。43年度現在では147万円程度であるということで、これは財政逼迫のおりから、市長はできるだけ財源確保につとめたいということはわかりますけれども、総体の中から見れば微々たる金額でありますし、また他の先進市においては、すでに実施中のところもあると聞いております。当局においても十分検討するという御答弁でございますし、私どもも常任委員会等を通じて今後検討を重ねてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) お答え漏れの第1点、国道勿来-弥彦線の建設でありますが、私が副会長をやっており会長は新潟県出身の田中角栄氏でございます。これにつきまして、最初は御承知のように白河までということになっていたのでありますが、太平洋と日本海を結ぶのが国道としての筋じゃないかということで、勿来-弥彦線ということで現在運動を展開しております。見通しは非常に明るいと申し上げてよろしいかと思います。実現の時期につきましての問題でございますが、これは国ばかりじゃなく県道の整備とも合わせていかなければなりませんので、県としても目下積極的に努力をはらっていただいているわけであります。 次に農業振興について、地帯別集団生産団地に対する、そういう指導は考えないかということでございます。そういうことについては私も同感でありますので、なお検討を加えて行きたいと思うのでございます。 次に新産計画につきましての手直し関係でございますが、この新産計画は御承知のように新市の根幹事業として取り入れて、合併の方向づけをしたわけでありますが、現実の問題として、新産都市計画そのものを根本的に直すということでなく、その時期に応じた適切な施策に訂正すべきものは訂正していかないと膠着状態で、時宜に合わないという問題がございます。そういう観点から県とこの点についての実質的な検討を加えながら推進をしていきたいと思うのでございます。 なお自治省において、新産都市全体についてのあり方はどうなっているかという調査をしたが、それは過般各議員のお手元にお届け申し上げたと思いますので、それを十分ごらん願いまして、なお足らんところがあれば、細かいところについて御報告申し上げます。新産都市指定以来の当市の実態は、あとで数字をお示しいたしたいと思います。 火葬場使用料の問題については、なお委員会を通じて御検討をお願いしたい。 △小林周喜君代表質問 ○議長(志賀季三郎君) 引き続いて小林周喜君の質問を許します。時間の都合上、この際質問だけを行ない、休憩後その答弁を求めることにいたしますので御了承願います。 ◆30番(小林周喜君) 〔登壇〕(拍手)民社党議員団を代表いたしまして、昭和44年度当初定例市議会にあたり、いわき市政の全般について時間の許す範囲内で、市長の所見をただし答弁を求めます。 合併以来2年半の歳月は流れ、経過措置期間の終了とともに、ようやくにして市行財政一体化の歩みを始めようとするまことに重大な時期でもあります。広大な地域と施設を治めながら、市民福祉に基づく行政を確立するということは容易なことではございません。しかしながら広域行政だからという理由をもって、行政の手を抜くようなことは絶対に許されませんし、市政に参与する者すべてが英智と勇気をもって、市づくりのために取り組み、市民の信頼と心からの協力をうけれるような行政実績をあげなければならないと存じます。私ども民社党議員団は改選以来こんにちまで健全野党の立場に立って、是々非々の方針を踏襲し、議会の円滑な運営と能率化のために、また山積するいわき市行財政の持つ幾多の困難事と真剣に取り組み、住民福祉を前提とする市政推進の役割りを果たしてまいったわけであります。しかしながらこのことは大和田施政に対する野党としての立場を寸分だに変えていないという前提をもってであります。もし大和田施政が住民福祉に反し、非民主的にして独善的行政を行なわんとするならば、即座に完全野党の立場に立って、断固対決の姿勢をとるであろうことを、この機会に明らかにしておきます。このことを前提として質問に入ります。 質問は産業基盤の整備と住民福祉についてであります。これを基本として7点について質問をいたします。 その第1は新産業都市建設計画についてであります。昭和38年県並びに関係地域市町村こぞっての新産業都市指定獲得運動が功を奏しまして、指定決定となり、住民には緑と太陽と豊かな生活が約束され、バラ色の夢と期待を抱かせるに十分な舞台装置ができ上ったのであります。まさに舞台装置のみで、幕は上がれど、序章のメロデーだけがうつろに響くといったありさまで、われわれの期待と夢ははかなく消え、大いなる幻影にとどまろうとしているのが、現実の姿ではなかろうかと考えるのであります。 あれから5年、現実の姿は当初のもくろみと大きくかけ離れ、すべて机上プランの域を脱し得ない状況にあります。新産都市建設は地域外にも波及効果を及ぼすことがねらいで、ここらあたりにも広域合併強行の要因があったのでありましょうが、地域内の計画実現も思うにまかせぬ現況をみたときに、何の波及効果かと言いたいのであります。マスコミは色あせた新産都市、あるいはまぼろしの新産都市と呼び、政府の場当たり的な開発計画に警鐘と批判を加えておるというのがこんにちの実体であるということは、すでに皆さんの承知のとおりであります。近くはこの新産都市建設計画を放置したままに、新全国総会開発計画の策定を企画するという全くの野方図ぶりはあきれるばかりであります。かかる空手形乱発の人気取り政策に狂奔しているのが現在の政府の姿であり、これにほんろうされているのが、悲しいかな、われわれ地方自治体の姿であると言われるのではないかと思うのであります。 当地区における新産計画の実体をとらえてみても、昭和39年より昭和50年までの12年間に、1,957億円の資金を投入しましょう。工業出荷額は3,350億円を目標としましょうというまことにすばらしい計画であったのであります。しかし5年を経たこんにちの実績は年次計画の60%の達成率に過ぎないのであります。この計画のそごはあらゆる部門に影響をいたしまして、基本計画の一つである人口目標にもはるかに及ばない状況にあるのであります。これらを総合して客観的に冷静に考察を加えるときに、いかに新産計画の信奉者たる市長といえども、現実とのギャップを認識せざるを得まいと思うのであります。現状にマッチする計画の修正についてはいかがお考えであるか、まずお伺いいたしたいのであります。 次に新市建設の根幹事業について言及をいたしたいと思います。根幹事業の設定は、各地区それぞれか持つ特殊性を生かして、個性的な地域開発を進めることをその基本線としてなされております。しかしこの設定時期のまさに特殊的背景のなせるわざで、往々にして、全面的に肯定できぬ部分が多く見られるようになっているということであります。しかしながらこんにちまでこれを対象とする論議では、常に市長はこの再検討を否定し、一路直進のみを主張してきているのであります。はたして今後このままということになるかどうかについては、もはや客観情勢がいれまいと思うのであります。経過措置期間の終了によりまして、行財政の一体化、新都市計画法によるところの土地利用計画の策定、日本水道コンサルタントよりの広域上水道事業基本計画の報告、さらには東京大学高山教室よりのいわき市都市整備基本計画報告、またすでに御承知のように昨年7月の経済会議の答申と、本市の羅針盤を形成する器材は着々と集約、整備され、もはや組立ての段階に来ているという現状であります。 合併協における根幹事業設定のもつ重要性を認識しつつ、その精神をそこなうことがあってはならぬが、新市運営の実際的要請または専門的立場からの進言は卒直に取り入れ、行政の中に生かすべきであろうと考えるものであります。都市計画との関連からもこの点をいかがお考えなのかお伺いいたしたいと思うのであります。 色あせた新産都市、笛吹けど踊らぬ工場誘致といった反面、公害問題はますます不気味な黒いかさを広げて、住民生活を不安と恐怖におとしいれております。住民福祉阻害の悪い面のみが新産都市建設については、大きく浮かび出ているのがこんにちの姿であります。都市化の道程に横たわり必ず逢着する問題であればこそ、さらに計画的に公害防止の一大施策を完備すべきではないかと考えます。 県は当地区について公害のない化学コンビナートの建設を目ざしまして、ほぼ実現の内定を見ているようであります。一体公害のない化学コンビナートというのはどういうものでありましょうか。日本の石油化学コンビナートは同系資本や技術系列による石油精製企業と、石油化学企業の結成する企業集団をさすのであります。石油化学コンビナート地帯の公害は、現在の技術ではとうてい解消し得ないというはなはだ悲観的な学論も多いということでわかるとおりであります。公害のないコンビナートというのは、このような既成の工場群と関係のないものであるということなのか。常に「公害のないきれいな企業」の誘致をすると公言されている市長から、この概要と住民福祉を守り快適な都市環境の形成に関する所信のほどをお伺いいたしたいのであります。 次に石炭産業の安定と将来の展望についてお伺いいたします。去る2月27日行われた県議会の代表質問において、わが民社党後藤議員は、石炭産業の安定対策について、知事の所信をただしたのに対して、木村知事は「地上の開発と地下開発は、両立するよう努力するが、地上の開発に障害となるような地下採掘は、断じてやめてもらわなければならない」ということでありました。もしこの発言が真実のものであるとするならば、本県唯一の炭鉱所在地であるいわき市にとっては、まことに重大な問題と言わねばならんと思うのであります。 すなわち、後藤議員の発言要旨によれば、県は今次議会に、小名浜臨海工業地帯に大剣石油コンビナートを目ざし、16億余万円の予算を計上するとともに、今後122億余万円の造成費を充当しようとする計画を発表しているが、当該地区の地下には、可採炭量にして約1,000万トンの良質にして経済性豊かな石炭が埋蔵されており、しかも、昭和47年からは、採掘が開始されることになっていると同時に当該地区以南にはさらに5,000万トンの良質炭があり、これを採掘するためには、前段にのべた1,000万トン地域の採掘が前提となっていると指摘し、したがって県の地上開発推進にあたっては、これら地下資源と両立できるものでなければならんということであります。私どもとしても、従来から地元における最大の企業として、石炭安定のためには地域ぐるみの努力を傾注してきたところであります。結果は現在のような、きびしい合理化の道をたどらざるを得なかったのであります。幸い本市の場合においては、関係者の粘り強い努力によって、石炭最盛期における200万トン台の経済出炭を続け得る明るい見通しに到達しつつあるとして、一応安堵の胸をなでおろしつつあったのでありますが、今回の知事発言によって、新たな不安が台頭して来たのであります。 すなわち、県が、今議会において発表した大剣地区石油コンビナート建設をめぐる先行投資計画予定地の真下は昭和28年政府登録番号福採登ナンバー651、668、677、679、682号によって、石炭の採掘が許可されており、すでに採炭ボーリング27本、立坑2本、約2,000メートルに及ぶ斜坑の開さくが進められ、十数億にのぼる巨費が投ぜられて、昭和47年からは実採炭が開始される予定であります。出炭計画年間約100万卜ン、総量1,000万トンの採掘が計画されておるとのことであります。さらにまたこの地域の採掘は、当該地域以南における約5,000万トン地帯えの進出経路として、欠くことのできない要件を備えていると言われる以上、知事がたとえどのような圧力をかけて来たとしても、今後50年にわたって掘り続けられるであろう石炭を放棄するなどは、まことに言語道断と言わねばならないと思うのであります。またこのことは、国内固有のエネルギー資源活用の観点からも、許されないところであります。市長は本議場を通じて、常に、公害のない町づくりと、既存企業の育成擁護を繰り返し強調されて来たところであるが、大剣地区開発計画の全貌については、あらかじめ県との事前協議等によって十分承知しているものと解さざるを得ないのでありますが、まずこの点について所信のほどを承りたいのであります。 われわれはいまだ当該地域開発の青写真を拝見し、かつ御説明を拝聴する機会がないので、これ以上の具体的追及ができないことをまことに残念に思っている次第であります。少なくとも当市において、これから進められてゆくもろもろの開発計画は、既存企業の育成発展と並行して進められること、すなわち地下における石炭採掘に支障のない地上の開発、言いかえるならば、地下採掘の継続を可能ならしめる配慮の上にたった企業の配置こそが、市政に課せられた命題なりと確信するものであるが、重ねて市長の見解を承りたいのであります。 県当局は、地上開発の障害となるならば、地下産業を切り捨ててもよいとする前提のもとに、予算を裏づけとする大剣地区開発の実施計画が、企業局の発足によって具体化され始めているが、はたしてこれらの新規企業のもたらすであろう地域住民の利益は、どのようなものであるのか。さらにまた極度に合理化されあるいは機械化されている新規企業が受け入れる労働人口は、どの程度のものと考えているのか、具体的な説明を求めるものであります。われわれはこんにちまで、大日本炭砿をはじめとする幾つかの休廃山に遭遇し、これが終戦処理のため、言語に絶する苦しみを経験したことは、まだ記憶に新しいところであります。大和田市長自身もまた、渦中の責任者であったはずであります。もし地上の開発を阻害するからと言って、当該地区の採掘に企業生命をかけている常磐炭砿までもが、あと数年を経ずして閉山するがごとき事態は、断じて回避しなければならないと信ずるものであります。すなわち現在の常磐炭砿の直接の従事者は5,000名弱でございますが、家族を含む石炭依存人口は10万人をこえるとさえ言われております。このことはだれよりも、市長あなた自身が一番よく承知しているはずでありましょう。したがって、既存企業である石炭産業を守らねばならない理由についても、市長であるあなた自身が十分承知しているはすであります。すなわち、県内唯一の産炭地における最高責任者である市長!!あなたは、あなたの責任において、木村知事の真意をただし、もって石炭産業の命数を断ち切るような開発計画がありとするならば、断じてこれを改めさせるべきであると考えるものであります。市長の信念のほどをお尋ねいたす次第であります。 次は人事管理についてお尋ねいたします。パーキンソンの法則というのがあり、それによりますと「役人の数は、なすべき仕事の軽重、ときには有無にかかわらず、一定の割合で増加する」と言われております。これは行政事務というのはいつの間にか膨大になり、複雑化し、それに伴い公務員の増も必然的にふえて、これを改革しようとしてメスを入れる場合、その抵抗はきわめて大きいものと考えております。 今度の職員の勧奨退職問題は、機構整備改革と市財政上の問題と併合した形で提起されているが、行政機構の改革整備、簡素化といったものは、そのことだけが目的でないと考えます。それによって浮いた人員、経費をより有効に使い、そして行政効果をより高めることでなければならないと思います。時代の流れと住民の生活に即応した行政面の弾力性とその実効を高めるために、硬直化した行政を解きほぐしつつ整備、改革を進めていくことが大切で、単に機構がスッキリした、役所がひまになった式のことでは無意味であろうと考えております。また機構に触れれば人事問題にぶつかり、特に今回の勧奨退職の該当職員にとっては生活権の問題であります。組合は働く者の権利と生活を守る組織として対処することはこれまた当然のことであります。市と組合との協議はどの程度まで進んでいるのか、これをお聞きいたしたいと思います。また了解点に達しているのかどうか、その話し合いの過程で提起されたであろう具体的な問題点について、働くものの側に立ってその見解をお伺いいたしたいと思うのであります。 第2にまず、市側はあくまでも勧奨退職というが、聞くところによると当局は職組との団交の席上、本人の意思尊重を確約したと聞くが、退職の方法に権力と圧力をいささかでも加味したものがあるとすれば、これは地方公務員法第27条との関連において着過できないのであります。この見解をいかがおもちかお伺いをいたしたいのであります。 第3に43年10月に職組と手交の臨時職員定数化に関する覚書の中で、定数繰り入れ該当者に年令60歳の者も含めていたというが、この点今回の退織年令と矛盾するものがないのかどうか、協定違反とはならないのかどうかということもお伺いいたします。 第4に勧奨退職該当者中大半が現業従事者でございます。特に常磐、内郷地区の場合は衛生業務の従事者であるというが、この退職によってサービス行政の著しい低下を招くおそれがあるが、これにどう対処して行こうとするのか。 第5番目に現業関係者は再雇用の道を開くというが、その際の労働条件は全然明らかにされていないと聞いています。このようなことは近代労使の慣習から見て逸脱しております。よもや現業の整理には政策的な含みがあり、民営移行の伏線があるとは思いたくないが、現業退職者が再雇用に応じない場合の対策はどうなっているのか、この点をあわせてお伺いいたしたいと思うのであります。 第6番目に今次の予算に退職引当金が計上されております。合併時の希望退職の際で規定の100%増、今回は勧奨退職であります。しかし退職金は50%と、本来のあり方を逆行しております。これを訂正する意思があるかどうか。これらの諸問題点からみても、この勧奨退職は住民福祉、サービス行政の実質的低下を招く点など、多くの問題を派生しているが、なお再検討をすることなくこれを強行しようとするのか、市長の見解をお伺いいたしたいのであります。 第7番目、さらに本項に触れて、最近不幸にして市職員のさまざまの事故が発生し、一般市民のひんしゅくを買った事実があります。問題はこれら事件の渦中にある人々の罪をあばこうとすることでなく、これら不祥事件のそもそもよって来た原因は何か、根源はどこにあるかということだと思います。ひとり職員の資質の中にあるのか、官僚機構や自治体の仕組の中にあるのか、綱紀粛正を進める意思を明らかにされている市長としてはこの点をどう思っているのか、これらについて市長の見解をあわせてお伺いいたしたいのであります。 中小企業対策についてお尋ねをいたします。昨年よりの動向として、世界経済はいまや金利戦争と言われ、わが国の経済もこれに対処するため、極力景気抑制策をとっておることは周知の事実であります。今後一そう総体的な景気後退が予想され、中小企業に与える影響はきわめて大なるものがあります。これに呼応して県は、わが党の主唱に耳を傾け、昨年より金融対策の充実、指導体制強化技術向上を中心に予算化を講じ、44年度の当初予算にもこの姿勢の持続がうかがわれるところであります。特に急ぐべきことは中小企業の近代化、協業化の促進であると痛感されます。政府は昨年、企業の高度化促進のため中小企業振興事業団を設定いたしましたが、この事業団の資金を導入し、協業化促進を積極的にはかるよう、県に大いに働きかけるべきであると考えます。付言すれば常に政策理論、行政意識の高揚に部長以下部局職員こぞってつとめ、一連行政の浸透に際して、国、県関係筋から真に頼むにたる住民直結機関としての体制の充実に心すべきであろうと考えます。この体制づくりをいかに考えているのかお伺いいたしたいのであります。 好況のときには大企業の搾取を受け、不況になればその安全弁的役割りをいやおうなしに押しつけられている中小企業への指導は、まだまだ弱体であることを強調いたしたいのであります。県とともに強力なる指導体制の確立をはかるべきであると思うが、これらの点につきましてもあわせてお伺いいたしたいと思います。 次に市内の中小企業の資金需要の推移をみても、需要に対して金融機関がプ口パーで融資消化することのできる額は、おおよそその65~68%程度と試算されます。この救済措置として、政治的配慮に基づく県資金による制度金融等の利用、県信用保証協会の機能充実による信用力の補完策としての市資金の預託並びに出捐、これらをますます強化してこそ時流に沿う生きた政治と言えるのであるが、悲しむべきことには44年度当初予算では昨年より下回る計上となっているのであります。すなわち市長は施政方針の中で中小企業関係につきましては、新たに県信用保証協会を通じて2,000万円を市内金融機関に預託することとし、その活用によって中小企業の経営に資するよう考慮いたしたいと言われております。43年度の実績を見ると県保証協会への預託は2,440万円、市内金融機関への預託は2,300万円、計4,740万円であります。すなわち新年度の中小企業振興策のための預託は実績の50%にも満たないと考えられるのであります。市内の経済動向一つにしても、市長の認識にはなはだ欠けるものがあると考えられますが、これらの点についても市長の見解をお伺いいたしたいのであります。 最後に工場誘致と労働力の問題についてお尋ねをいたします。市長は折りあるごとに、企業誘致の問題に触れると「公害のないきれいな企業」の誘致につとめ、形あるものみなよろしといった、無分別な誘致は決して私のとるところでないと強調しております。まことにこの点は意を強うする反面、都市形成の一大要素たる人口問題に角度を変えて見れば、なすところなくべんべんと座して待つ無為の姿ともうかがえるのであるが、賢明にして行動力きわめて旺盛な大和田市長のこと、杞憂に過ぎないと考えております。ましてや中央財界に知己も多いやに聞いておりますので、的確な情報のキャッチと時宜を得た迅速な働きかけによって「公害のないきれいな企業」の誘致につとめているものと推察をしているのでありますが、この現況と見通しについてまずお伺いをいたしたいのであります。 2番目にはこれに関連して労働力調整の問題でありますが、全県的な動向として人口の県外流出、出生率の低下、平均寿命の延長などにより、生産人口が次第に老令化しつつあることは、特に第一次産業の比重がまだまだ重い本市の場合、本市の発展にとりまして、まことに憂うべき問題であると考えております。過般の十条社長と市長並びに関係議員団の会談の際にも強調されたごとく、中若年労働力確保の問題は企業誘致の成否を決定づけるほどの大問題であります。中若年労働者の県、市内就職の促進には経営者側の態勢はもとより、希望に満ちた企業の育成を促すために、初任給、厚生施設等の対外格差をなくすように、市としても積極的に働きかけ、経営者団体とも協議するなど、国、県、市の行政の分限をよしとして、みずからその限界を招き寄せ、得たりとしてとどまることのないように心すべきであると考えるのであります。市長の政治姿勢の問題にもなろうが、人口問題と労働力の確保について市長の見解をお伺いいたします。 以上大きく7項目にわたりまして質問をいたしました。各項ごとに具体的な答弁をされるよう特にお願いいたしまして、質問を終わります。 ○議長(志賀季三郎君) 暫時休憩いたします。  午後0時9分 休憩---------------------------------------  午後1時2分 開議 ○議長(志賀季三郎君) 再開いたします。午前中の30番小林周喜君の質問に対し、当局の答弁を求めます。市長。 ◎市長(大和田彌一君) 〔登壇〕30番小林議員の御質問に対しましてお答え申し上げます。なお御代議員にお答え申し上げましたように、いろいろ各般にわたっての御質問でありますので、答弁漏れのところは再質問をいただきまして、再度お答え申し上げたいと思います。御了承願いたいと思います。 第1点は産業基盤の整備と住民福祉についてでございます。この点につきまして特に御指摘ございました点は、新産都市としての指定を受けた常磐地域が、いわゆど,緑と太陽とそして住民の経済所得を豊富ならしめて、理想的な地域開発ができると言われながら、その実体はまことにわびしいものではないかという御指摘でございます。このほか工業特別整備地域として6カ所指定されております。いずれも卒直に申しましてわれわれの期待より、実体ははなはだしくかけ離れているということは、まことに残念であり、これでは新産都市の本当の実のあるものとは言えず、われわれの期待とほど遠いこと御指摘のとおりでございます。しかしながらわれわれとしましては、この新産業都市を指定した国の施策の意図するところは、御承知のょうに飽和状態にある、つまり人口過密都市を地方に分散させ、地方の産業を興して、それによって各指定地域の経済所得を増大ならしめる、そしてここを拠点として波及効果をその周辺に及ぼすという、その構想につきましては大いに意欲を燃やし新産都市の実現に努力を払って来たのであります。全国の新産都市地域内におきまして、きわめて不満足であるけれども、この常磐地域の新産計画の実施は、ほかの13地区に比べて優等生であるという折り紙がつけられているのであります。その優等生の実体がこうだったということでは、まことにわれわれとしては残念であると思うのであります。過般自冶省において新産地域の実態調査をされ、その報告が公表されております。その中でもやはり同様なことが指摘されております。この調査は新産都市として、まずいわゆるテピカルなところをとって、常磐、郡山、大分、鶴崎といったところを調査いたしたのであります。その結果はわれわれと同じような調査結果があらわれているのであります。今後この新産都市の建設につきましては、せっかく指定を受けたこの希望と念願を達成するためには、なお一そう現況を強化していくことに、われわれは熱意をもって進まなければならんと考えているのであります。小林議員から御指摘のような新産都市建設5カ年間の達成率、それから現況につきましては、前にも中間的なことは申し上げましたが、議会のほうにあらためて数字的に各項目にわたって御報告申し上げたいと思いますので、御了承願いたいと存じます。特に御指摘のように人口増ということをもくろんでおったにもかかわらず、特にいわき市としても常磐地区全体としても、人口増どころか逆に停滞あるいは減少という傾向があるのであります。新産都市の目的とするところとわれわれの期待は裏切られたということを、卒直に認めざるを得ないと思うのであります。 また合併する際にいわゆる新市の根幹事業というのが策定されたのでありますが、それが一つの合併の条件となっていたのであります。この根幹事業も新産都市建設計画を基本として立てられていたのであります。これは5カ年前の計画であるわけでございますが、その計画と現状とはどうであるかということについてのおただしでございます。この計画そのものも補うところは補い直すという意味で、この根幹事業そのものも修正の時期に立っているのではないか、市長は根幹事業としてどこまでも現状でにしきの御旗として死守するのだということであるが、その辺はどうであるかということだと思います。新市合併の基本でございますので、これを曲げるというわけにまいりません。しかしながら実際にわたってそのスケジュールそのままを年次別にやっていくということは、これは相当私も考えなければならんし、修正を要する点があるのではないかと思うのであります。そういう意味で水については日本水道コンサルタントに、あるいは都市計画につきましては高山研究室あるいは経済会議を通じて、いろいろ学者あるいは地域の方々の意見を聞き、一部その答申もあったところでございます。手直しする必要はないかということで、これは十分専門家の意見を聞く必要があるということでそれぞれやっております。新産都市建設のやり方については自治省等でも相当手直しをする必要があるということを卒直に認めているわけであります。そこでこの根幹事業の精神を生かしながら自治体の権限において手直しをする。そして建設にあたってむだのない計画をつくるべき時期に立っているのではないかというふうに思うのであります。その意味でわれわれとしても今後のいわき市の計画、道路にいたしましてもあるいは水にいたしましても、あるいは都市計画、それも最近になって今年の6月から実施されますところの新都市計画法の実施に伴っても、今後のいわき市の進み方については根幹事業に沿った方向であるけれども、相当手直しを要すべきものは手直しをするということが必要でないかと卒直に私は考えているのであります。その意味におきましてわれわれといたしましても、各種の諮問機関、研究機関等に委嘱して、その成果を十分参考にし資料にしながらひとつ進めていって、そうして長期計画を十分再検討していきたいというふうに考えております。その際は特に議会等で十分御検討を願い、草案をつくる上からも、そこで決定していくということにいたしたいとこう思いますので、議会の御協力を願いたいと存ずる次第であります。 次に公害の防止に関連して、いわゆる化学コンビナートのあり方についてのおただしでございます。あとでも申し上げますが、今後企業が立地することについて、企業であれば何でもいいのだというそういう考え方はとらないということは常に申し上げているわけであります。公害のない企業を誘致するということを第一の前提として進めていきたいというふうに思っております。ただ港湾を利用する企業というのはとかく公害が起こりやすい、というのは結局大きな量の原料を持って来て精製なり精錬ということになると亜硫酸ガス、一酸化炭素、メチール水銀の発生を伴い公害が起こりやすい。装置工業であればあるほどそういう事態が起こりやすいということを、われわれは心配をするわけでございます。その中にあって装置工業といえども、今後の企業の進出にあっては、そういう点を十分確かめ、もし多少でも懸念されるとすればその完全防除方については企業に約束をさせる。東京都におきましても東京電力の重油専焼火力発電所をつくるにあたっては強い約束をさせて、公害の起こらないよう前向きに東京電力がその点は解決をするということで、あそこに火力発電所をつくるということになったのであります。ああいう態度は地方自治体のあり方として、当然そうあるべきではないかと思うのであります。やはりそういうおそれのあるものについては、はっきりと公害の起こらない努力を、企業立地にあたってはすでに確定しておくということが必要でないかと、こういうふうに思うのであります。今後装置工業の誘致にあたっては十分その点を考えながら、公害についての処理、監視体制の強化につとめる。一部分は44年度の予算にも計上いたしておりますが、これで満足だとするものではなく、やはり地方自治体の考え方を達成するためには、どうしてもそういう公害対策についての熱意を十分実行に移さなければならん、こういうふうに思う次第であります。過般報道されておりましたように公害問題は国の政策として、当然あるべきではないかということ、現況では県、市町村という自治体におんぶしている状態であり、国の施策としてははなはだ遺憾であるということが、新聞論調として打ち出されていたのであります。これについても国に強く要望すると同時に、地方自治体としても自治体防衛という立場から今後取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思うのであります。 次に石炭産業の安定と現に起こりつつある大剣地区の石油コンビナートの問題であります。大剣地区については県においても発表され、県会においても公表され、あるいは新聞報道等においても論議されておるのでございます。これにつきまして大剣コンビナートというか石油を中心としたコンビナートをつくるということについての詳しいデーターは、私はまことに残念ながら把握できないでおるのであります。大体はあの新聞等に報道されておりますように、県といたしまて小名浜港の整備をはかりながら、あすこに具休的にはおおよそ130万坪の工業用地を確保し、そうしてその一部に富士興産を立地する。富士興産の所要面積は20万坪ないし30万坪である。そしてそのほかの地域につきましては、構想としては非鉄金属工業を重要基幹として誘致したい。非鉄金属としてどういう工場があるかということは、残念ながらまだつまびらかにしておらないのであります。県としてもどういう企業をもってくるかということは、まだ確定していないというか、検討中であるというのが現状でなかろうかと思うのであります。小名浜港を整備し企業を誘致するということは、われわれの常に念願としているところでございます。これをもって新産都市の発展の基盤をつくるということは、これはわれわれとしてももろ手を上げて賛成するのであります。 次にたまたまこの地域は炭鉱の石炭の鉱区権のあるところでございます。そのために石炭企業が、その地域を開発することができないということになった場合には一体どうなるのか、小林議員からきわめて痛烈なる御指摘がございました。私はこの新産都市の地域開発の中核は、何と申しましても既存企業をまず育成していくということが、前提の柱であります。既存企業の育成、繁栄なくしては、新しい企業も興こり得ない。またそういうものを犠牲にして新しい企業を興すということは、私としては考えられないと思うのであります。ですからそういうコンビナートをもって来るということにいたしましても、とにかく既存の石炭企業なり、その他の企業でも言われますが、そういうものをお互いに調和をとり両立させるという前提のもとに、けじめてそういう企業が誘致されるものであるというふうに考えるのであります。 なおこれに関連いたしまして、大剣地区の土地利用計画というものにつきまして、私自身も、はっきり詳しく把握しておりませんので、県当局から部長なり部長代理なり来てもらって、この議会開会中でも十分詳しくひとつ聞くという機会を持ちたいということで、県当局にも申し入れをいたしております。日取りは議会の進行状況をみて打ち合わせながら、できれば議会開会中の皆さんお集まりの際に、県当局から詳しい説明を受ける機会をつくり、われわれの意見を十分それに反映させたい。そうして県の施策を決定してもらうようにしなければならんと、こういうふうに考えますので、その際に十分議会の皆さんと一緒に検討したいと思います。この点御了解を得たいと思うのであります。基本は何と申しましても先ほど申し上げましたような考え方で進めなければならんと思うのであります。 次に人事管理の問題でございます。高令者の勧奨退職に関連いたしまして、こういう問題につきまして組合側と十分協議していくべきでないか、協議の段階にいってどういうことになっているのか報告せよということでございます。私といたしましては高令者に退職していただいて、そして新しいいわゆる中堅層を幹部として、新市の意欲的な行政をやらなければならんという考え方からして、高令者の退職勧奨をしております。組合の協議は数回にわたってしておりますが、完全な意見の一致ということにはなりませんけれども、その方向については組合としては賛成だ、了承したということではございませんが、その方向づけの考え方については、組合と十分審議をしているのであります。この高令者の問題は人事管理上の問題とわれわれ解釈して、勤務条件の変更というふうには基本的に考えていないのであります。この勧奨退職にあたりましては一つはやはり優遇措置を講ずる。すなわち普通の退職よりも退職金を150%にしてやる。そして58歳から59歳の者には、大体1年間を目的として再雇用して行く。その勤務条件について大体のところを申し上げますというと、本給の7割程度を再雇用の場合においては支給をするということであります。なおこの勧奨退職は、勧奨によって退職していくわけで、定年制というのが地方公務員法上現定されていないのであります。したがって、どこまでも本人の意思の尊重が基本でございます。しかしながら市の行政のあり方というものも、十分認織していただいて、そして納得してもらうということが私の念願でございます。その意思に反して強制的にやめさせるということはできませんし、そういう考えはございません。ただ市の施政の方向として慣行としていきたいのだということを、該当者と話し合って納得していただいて、退職していただく、こういうふうにいたしたいと考えております。それから臨時の職員と現業職員に関して、勧奨退職によってあとが埋まらないという事態が生じないかということでありますが、私といたしましては極力後任者を選んでいく、もしそれができないならば引き続き再雇用の形でもって雇用しながら後任者を物色していく。その後任者が得られないということも考えられるかも知れませんが、そういうことで補充することができない職種については、十分今後運用の面で考慮していくこういうふうに思うのであります。 次に中小企業対策でございます。この中小企業がいつでも平素は大企業によって、いわゆる圧迫されて、景気がいいとどんどん中小企業が活用されるが、景気が悪くなると中小企業はいつも下積みになるという現況から、やはり中小企業としての生きる道を見つけていかなければならんという指導の強化をはかる必要があるのではないかということ、まさに御指摘のとおりであります。御代議員にもお答え申し上げましたとおり、指導行政の強化は商工会議所もございますが、市としての指導体制の強化もはからなければならんと思っております。この構想と予算化の具体的な事業の実施はきめておりませんが、近々中に私のこれらに対する考え方を明らかにいたしまして、議会あるいは市民の意見を十分に聞いて、この強化の方法を打ち出したいというふうに思うのであります。 特に工業方面におきましては、先ほど御代議員にお答え申し上げましたように、指導機関というか、技術的な指導機関が特に足らないのであります。そういう面におきまして指導機関としての試験場並びに指導的なそういう充実した機関を、県につくってもらいたいということで強く要請をしております。これにつきましては近く結論が出るのではないかというふうに思うのであります。市の貧弱な機関ではできないので、県立のものを設置してもらう。これについてはぜひ郡山市にもってきたいということで、各関係地区から要望がございます。このいわき地区でもぜひこれが必要であるということで、そういう指導機関の設置方について強く県に要望しているのであります。ぜひ実現するように今後とも努力いたしますので、議会におきましても御協力願いたい、こう思うのであります。 なお中小企業にとって一番弱い金融対策でございますが、金融対策につきましては、むしろ44年度の予算は後退じゃないかということでございます。この金融対策につきましては、一つはやはり私としては県の保証協会、これは金融機関が貸し付けをするときに保証されたものを第一に取り上げるのでありますが、これを保証するのが保証協会でありまして、企業体としで一番弱いところに手の届くような形で保証協会のほうに計上いたしたのであります。このほかに市としての貸付預託制、これは市の財政のその月々の金庫の状況とにらみ合せて、いままでもたとえば信用組合あるいは相互銀行あるいはその他の金融機関に預託をしております。これは年度内の貸付制度でなくて預託制度でやっております。貸付制度とは別個に考えて極力これを活用し、強化し、拡大して、各種機関の融資についての便益をはかっていくということで努力をはらいたい、こう思うのであります。なお金融機関に対し、いま申し上げましたような構想でいくことは、そのときそのときにおいて、たとえば盆の前の金融の問題、暮れの金融の問題、あるいは特に必要になった時期の金融問題、並びに金融逼迫となった場合には長期の融資が特に必要になってくる。そういう面から言って実質的な運用を十分に留意しながら、適切な時期に適切な手を打つというふうにしていきたい、こういうふうに思うのであります。いままでもこれは若干やっておりますが、なおそういう面に配慮を重ねていきたいと思うのであります。この総金額は相当の額にのぼるのではないかというふうに思うのであります。 次に工場誘致と労働力の問題でございますが、企業の誘致は大体合併以来相当の数に上っているのであります。従業員が総計で6千数百人も新しく雇用される機会を得たわけであります。ただその中でいわゆる労働力が不足をしているという問題がございます。この市内の労働力が京浜地方にどんどん流れてゆく。せっかくある労働力が外にゆく。市内における確保は困難であるという現象を来たしております。そういうことでは学校当局ともいろいろ話し合って児童生徒学生の移動の面で、この市内に滞留するような対策を講じているのであります。市内における41年度の実績を申しますというと、市内に残留するものが就職希望者の40%、あとは市外に出ている。ところが今年度はこれが逆に52%が市内にとどまる、48%が外に出るというふうに相当改善されているのであります。なおわれわれとしてはこれでも満足できないのではないかと思うのであります。これは労働条件がよそがよろしいということもあるかと思います。しかしながらそれよりもいろいろの文化施設、厚生施設が整っていないというところに大きな原因があると私は考えているのであります。そういうところを補完する意味で、大企業はいろいろの厚生施設を整備しつつあります。しかしながら中小企業はなかなか因難でございます。中小企業にかわって市としての考え方から、そういう施設をつくっていく、そして労働者にレジャーなり、休養の施設として利用する場をつくっていくということが、やはり魅力を増す要因でないかと考えるのであります。そういう面におきましてわれわれ努力を重ねなければならんと、こういうふうに思うのであります。 なお御指摘のところで答弁が漏れたところは、再質問で十分お答え申し上げたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(志賀季三郎君) 30番。 ◆30番(小林周喜君) 再質問はごく簡単にいたしたいと思います。私どもの所属会派の議員が、明日からの一般質問でもって具体的にお尋ねをすることになりますし、また委員会等で詳しく取り上げてみたいと思いますので、細部については省略いたします。 石炭産業の安定の問題につきましては、市長より力強い御答弁を得たことを感謝いたします。基本として既存産業の育成が、いわき市の新産都市としての発展の柱であるという考え方を、今後とも肝に銘じて生かしていくことを強く要望しでおきます。 次に質問に対する登弁漏れがございます。その点について若干触れてみたいと思うのであります。退職金の問題について合併時の希望退職が100分の200で、今回の勧奨が100分の150では不合理ではないかという指摘をしております。それと臨時職員定数繰り入れの年限と今回の勧奨退職の年限の問題について、この点はひとつ御答弁をいただきたいと思います。これらの人事案件の中で当局の態度がはっきりいたしまして、本人の意思をどこまでも尊重するというたてまえだということでありますが、この精神はどこまでも貫いていただきたいと思います。 中小企業の預託制度の問題につきましては、少しく問題がございますが、自分の所属委員会の所管でございますので、常任委員会の中で市長の考え方をあらためてお聞きいたしたいと思います。以上の漏れた点のみについて御答弁をいただきたいと思います。以上です。
    ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) 漏れたところをお答えいたします。退職金の問題で合併直後の一般退職の場合で倍額支給といたしたのであります。今回は倍額でなくて1.5倍にした、それはどういうことであるかというおただしでございます。私としましては高令であるための退職でございますので、なるべく多く支給したいという気持は人後に落ちないのであります。ただこの倍額支給になりますというと、これはもらうものは都合がいいのでありますが、相当膨大な金額になるわけでございます。一方これに対する退職起債をおこすことができるのでありますが、これにつきましては退職債は国家公務員の給与の現給を上回らないこと。上回った分についてはだめ、臨職については退職債の対象にはしない。一般退職、これは国家公務員に準ずる退職金の支給基準になる。50%のプラス分については退職債の対象にはしないということになっているのであります。先には臨時の措置として200%やったのでありますが、今回は150%で、プラス分につきましては自主財源から捻出してやる。こういうことで200%にこれをふやすということは、市の財政上から非常に困難であるという実態に逢着しているのであります。ほかの都市の職員は大体100%から多いところで150%でございます。なお150%にすることにいたしましても、いろいろ国家公務員よりも支給率が低いという者については、たとえば6号俸低いという者については大幅に引き上げて、それを基準として退職金を支給するということで、受ける者に不利にならないように優遇していきたい、こういうふうに思つております。 臨時職員の60歳までを繰り入れて保証するという形をとりながら、退職年数を58歳にしたのはどうかということでありますが、これにつきましては現状から申し上げますと、どうもそういう高令者についてそのままにしておくことは、あとから続く者にとって非常に困るという考え方から58歳にしたのであります。なおこの点につきましては60歳まで保証をする検討をしながら勧奨退職を50歳に区切ったという矛盾はわれわれ考えるわけであります。しかしながら、このことについては本人の意思を十分に尊重しながらいくという方針でございます。 ○議長(志賀季三郎君) 30番。 ◆30番(小林周喜君) 議事進行の都合もありますから、先ほど申し上げましたように後の私ども会派の議員にゆだねることにいたしまして、ひとつ要望を申し上げることにいたします。 財政的な理由から200のものが150となり、希望、勧奨というまことに性質が異なり、むしろよけいもらわなければならない性質のものが半分にされたということは、これは理論的にもあるいは心情の上からも割り切れないものがある。財政的な問題をいろいろ理由として上げておりますが、これらの点につきましては委員会でも、また後の質問者もやられることでありましょう。市長のほうであたたかい措置を講ずるような配慮をしていただきたいと思う。私は慣習、慣行というのはやはりいい方向に立ててもらいたいということを切望いたすものです。お互いに不信感があるというと、一番迷惑をするのは一般市民であります。臨職の問題にしてもそういうとりきめを労使でされて、そうして当局の都合によって踏みにじられるのだという、悪い労使の関係が招来されるということは、私は悲しむべきことでないかと思いますので、市当局は市職員組合との間のよりよい労使慣習の確立にあたっては、十分に配慮されていい方向にもっていっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。--------------------------------------- △鈴木勝夫君代表質問 ○議長(志賀季三郎君) 次、15番鈴木勝夫君。 ◆15番(鈴木勝夫君) 〔登壇〕(拍手)15番社会党の鈴木勝夫であります。ただいまから通告順と若干ずれますけれども、市長に対しまして社会党議員団を代表しての質問を行ないます。 市長は、昭和44年度施政運営について第1に「明るく能率的な市政」、第2に「あたたかく親切な市政」、3番目に「力強く前進する市政」、この3点を基本といたしまして、新機構に基づく市政運営にあたりたいと申されております。この3点の基本方針はそれなりに必要であることは否定いたしませんけれども、この3つのキャッチフレーズから見て受ける感じはその背影となっている公正な人事と明確な事務分掌及び権限の配分、ついで第一線業務の充実と機動性の発揮そして企画、技術両部門の強化という要素から理事者自身のやってやる政治という印象を強く受けるのであります。いま、いわき市民が市政に求めているものは何であるか、それは地域開発と社会開発の均衡であります。以下具体的事項につきまして、私は、大和田市政が市民の生命と暮しを守るためにどのような考えをもっておられるのか、また、どのように対処されるつもりであるのかただしてまいりたいと思うものであります。 まず、第1点は大剣計画についてでありますが、このことに対しては30番小林議員からの質問によりまして、ほぼその概要をつかんだわけでありますけれども、さらに突っ込みまして二・三ただしたいと思うのであります。 市長の説明によりますと、大剣建設計画についてはあまり深く理解をされていないように聞きとったわけでございます。この計画策定から現在県が16億を出して開発を進めようとしている具体的な実施段階で、その地域の行政を扱う市執行部がその計画の内容をつまびらかにしておかないということについては、私は非常に疑問を持つものであります。このことについて従来、県と市の話し合いがどのような形で進められて来ておるのかお尋ねいたします。 それから進出企業でありますけれども、これはまだいまの段階では明らかでないということでありますが、いわゆる進出企業を迎えるための工場誘致が先ほどの答弁では約130万というふうに聞いたわけであります。従来、工場誘致の取得につきましては伝来の耕地を失い、新しい生活をしなければならないわけであります。この新しい生活設計、生活の転換に失敗をしている例を過去の工場誘致に見るわけでありますが、専業の農家に対してどのような対策をもってるのかお尋ねいたすものであります。 さらにまた、この計画の進捗は剣が浜漁港並びに沿岸漁業に大きな影響を与えるものであると思われますが、その対策はいかがなものでありますかをお尋ねをいたします。 さらに大剣計画につきまして、大剣地区以外の多くの住民の方々はこれには大剣を含めてだと思いますけれども、石油精製については公害はつきものであるという強い不安を持っております。すなわち、2月上旬磐城地区選出の議員団と磐城地区の社会人クラブの方々との地域の振興方策について話し合う機会があったわけでございますが、石油の公害に対する質疑がかわされたのであります。この点につきまして重ねて市長の所信を承りたいと思います。 次に、十条製紙の関係であります。このたび進出が決定されました十条製紙の業務内容でありますが、この前の議会での説明では中間紙並びにノーカーボンペーパーの製造である。そういうことで公害は少ないという説明を聞いたわけであります。しかし、小名浜港の港湾整備拡充に伴って原木の輸入がますます増加することが予想されますし、いわゆる原材料の経費というものはコストに占める割合が非常に大きいところから、やがてはパルプからの一貫操業ということが容易に想像されるわけでありますが、このことについて、当初計画と将来の計画等をいま私どもは十分に見定める必要があろうと思います。当初計画をうのみにしまして、将来に対する措置を誤ってはならないと思うのでありますので、同社の将来計画について市はどの程度理解を深めているのかお尋ねいたします。 第3番目の石炭対策でございますけれども、これは30番議員の質問によりまして市長の考え方がほぼ納得できましたので、特に100年の間、日本の産業をささえて来た石炭産業が、石油に抗し切れなく、加速度的な斜陽化の現実の中で、現在常磐炭田の石炭産業に働いている人たちが企業を含めてさらに両立できるような措置を十分講じられるよう要望いたしまして、この件に対する質問は省略いたします。 続いて、市長のいう農林水産振興のうち水産業に関連してお尋ねいたします。磐城地区の臨海工業地帯と商工区が冶岸漁業を圧迫して来た過去の経偉からますますその度合が加わってくると思いますが、その意味合いにおきまして港湾整備を急速に実施しなければならないと思います。また漁港の整備と同時に漁獲物の円滑な流通と、処理の迅速化もまた考慮されなければならないと思うものであります。そこで遠洋型漁船の接岸できる港の整備を管理者である福島県知事に提言される必要あることは申すまでもなく、伝え聞くところによりますれば三港共願の形になっているようでありますが、各地区間の融和と漁業振興の方策についてどのような考え方を持っておられるか。さらにまた、漁業の業種別組織の統合を促進して一本化する必要があると考えられますけれども、市長はいかがお考えになってるか質問いたすものであります。 次に、公害対策についてお尋ねいたします。公害の防止の対策については、市民の生命を守るために特段に考慮をはらわれ、目的達成のために努力を続けられていることに対して敬意を表したいと思いますが、当局の指導によって企業においても防止対策に意を用い設備改善をしていることも素直に認めますけれども、それでもかつ本問題について質問いたしますのは、1つには公害の絶滅と、2つには不測の事態に対処してその原因と補償をすみやかに行ない被害者を救済しようと思うからであります。そこでわか党が全国的規模で実施いたしました公害実態調査の中で、去る2月22日、特に個々の住民の方々にお集りいただきましてその対話の中で住民の方々の指摘した事項につきまして、その具体例を二、三紹介しながらお尋ねをいたすわけであります。 その第1点は森林の被害についてであります。被害地は渡辺、玉川、鹿島、また常磐地区に及んでおります。住吉、林城地区も玉川というところに入るわけでありますが、その面積はまことに広大であります。特に著しい被害を受けているのは赤松でありまして、発生源の補捉が非常に困難なことと損害額の見込みが困難なために未解決のまま現在に至っていると見受けるのでありますが、ここで住民の方々から出されました悲痛な叫びは、被害救済機関を市に設置してほしいということであります。現在、地区に公害対策処理委員会があるわけでありますけれども、昨年9月に選挙になりまして10月以降の改選後、その機能が停止しているのでありますけれども市長はこのことについてどのような考えを持っておられるかをお尋ねいたします。 第2点目は海水汚染についてであります。浅海漁場を失った零細漁民の救済策の1つとして、市は積年アワビを放流して生活の一助にして来ておりますけれども、近年港湾の拡張に伴う潮流の変化によりまして岸辺に打ち上げられるという現状を見ているのであります。この結果アワビの住みつくところが少なくなって来ている。また海面で魚が変死をしたり、くぐってアワビを取ることを業としているプロでも見たことのないような大きなアワビがひっくり返ったり、そういう事象が起こっているのですが、その対策が徹底していないように見受けられるわけであります。やがて来たるべき採鮑の時期に、この採鮑に従事する漁民としては、いままでの経緯の中から企業と市に対して不信の念を深めているのであります。特に海水が赤いときに採鮑のために海にくぐることについては不安を訴えているのであります。カジメ、ワカメ、アワビ、ウニ等の資源の保護と被害の救済についてどのように考えてるかお尋ねをいたします。 さらに第3点目は臨海工業地帯を含む公害発生源のおそれがある工場周辺の区画整理についてであります。小名浜製錬所、新日本化学、堺化学、東邦亜鉛の諸工場にはさまれる地域は、東風以外はいつでも亜硫酸ガスの脅威にさらされている地域であります。日本公害コンサルタントのレポートによりますと、この地域はグリーンベルトで住居地域を区切ることが望ましいと言われているのであります。グリーンベルトを設けまして、これら工場群の中に位置する住宅街を守るためにいまから対策を立ててもおそくはないと考えるわけでありますが、その用意があるかどうかお尋ねいたします。さらにまた公害対策委員会の強化の件でありますが、市長から公害対策委員会に諮問をされ、その答申がなされているこの強化の時期並びに先ほど申し上げました処理委員会の再編成の時期についてこの機会に明らかにしていただきたいのであります。 次は文教問題についてであります。義務教育費の父兄負担の軽減についてはほとんど毎議会ごとに質問がなされて来ましたが当局との答えと現実はなかなか一致してこなかったうらみがありますが、なかんずく、校舎や屋体、さらにはプール等の建設の費用につきまして、この建設に伴う寄付金の問題でありますけれども、特別な心ざしのあるものは別といたしまして強要、割り当ての悪幣を除去しなければならないことはたびたびここで論ぜられ、当局の指導もまたその方向であったはずでございますが、さらにこのことを律するために教育寄付金に関する条例制定をして、そういう効果を上げる用意があるかどうかをお尋ねいたします。 あわせて県立高校の建設でありますけれども、地元の負担が最近非常に多くなって来てるように見受けられます。これは明らかに地方財政法第27条の2に違反する行為でありまして、過去にも指摘されて来たのでありますが、改善のあとが見られないのはまことに残念であります。財政再建がいまわが市にとって緊急とするとき、県に対してこの地元負担の全廃を訴えるべきだと思いますが、この点についていかがなものかをお尋ねいたします。 次に、退職勧奨についてでありますけれども、このことにつきましても30番議員の質問によりまして、市長の基本的な考え方が非常に詳しい説明がありましたので、私は二・三についてのみお尋ねしてみたいと思うのであります。市長は今度の場合本人の意思を尊重してあくまでも話し合いできめる。公務員法に定年制はない。したがって、勧奨というのはあくまでも話し合いだというふうに申しておるわけでありますが、市長が意図するところの予定数がこの話し合いの中で出てこなかった場合、それは本人の働く意思を尊重してそのまま職場にとどめるということになるのかどうか、その点を1つ確かめておきたいと思います。 それから、この勧奨退職というのはいわゆる労働条件の変更ではないというふうに市長は申しているのでありますが、そのことに関しては労働条件どころではなくして明日から生活の場を失うわけでありますから勧奨を受ける人にとっては全く重大な問題でありますし、それらの人たちが集っている市職労といたしましても全組織的な問題であることは言を待たないと思います。そういう重要な事柄を新しく慣行をつくるために、いま国会に提出されている法案の審議の推移のまださだかでないときにひとり強行をするということについては、私は、まだ少し考え直す必要があるのではないかと思いますが、かりにまた、この希望退職ということに話し合いがつくとしましても、いままでの生活から転換をしていく心の準備、その他いろいろな切りかえがあるわけでありまして、きょう言って明日にというような、いままで大和田市政に忠勤してきた人たちを不具するのにはまことに酷ではないかと思うわけでありますが、その辺のところをもう1度詳しくお話いただきたいと思います。 次に国鉄輸送力の強化についてでありますが、このことについては先の議会で関係省等に意見書を出しておりますし、あげて国鉄輸力強化とそこに働いている人たちの生活の防護ということで、当市議会は全力を上げて来たわけでありますが、いま国会に出されております国鉄運賃にからみまして、表題は輸送力強化でありますけれども主として出て来た背影についてをお話し申し上げまして市長の見解をただしたいと思います。いま国鉄が値上げをしようとしている論拠は赤字ということでありますが、運転収支は毎年毎年黒字を出しているわけでございます。この赤字の原因は新幹線や複々線工事あるいは新造車両等が全部国鉄がかぶっているところから合理化を進めるための借金政策による赤字であります。この赤字をなくすために国鉄は1つには運賃の値上げをしようとしているのであります。1つには1日800人以下の乗客、それから1日80トン以下の貨物駅はこれを廃止するかまたは無人化しようという計画があるわけでありまして、わが常磐線、磐越東線にもその対象になる駅が2・3見受けられます。ちなみに2月8日の各駅の実際の乗降客数並びに取り扱い貨物トン数を申し上げますと勿来、定期1,551人、普通586人、貨物1,772トン、植田、定期2,980人、普通1,318人、貨物3,636人、泉、定期2,680人、普通789人、貨物501トン、湯本、定期3,093人、普通1,055人、貨物1,563トン、内郷、定期2,134人、普通424人、貨物17万3,507トンであります。平、定期1万6,000人、普通1万2,000人、貨物93トン、草野、定期827人、普通120人、貨物38トン、四倉、定期1,484人、普通255人、物1,754トン、久之浜、定期245人、普通585人、貨物17万トン、末続、定期282人、普通61人、貨物0、赤井、定期608人、普通58人、貨物55トン、小川郷、定期1,289人、普通208人、貨物1,151トンということになっております。こういうことであるわけでありますから、この点に関して私どもは関係当局に市民の足を守る立場から積極的な働きかけをする必要があると考えるわけでありますが、この点いかがお考えであるかをお尋ねするわけであります。 さらに公共料金の値上げに関連いたしまして、いわゆる常磐交通のバスの料金値上げ問題に触れ、バス運営協議会について、若干、この機会にただしておきたいと思います。協定書によれば昭和36年8月12日に当時の5市長と常磐交通自動車株式会社取締役社長野崎満蔵さんと運輸省の自動車局長木村睦男さんと7人が一堂に会してバス運営の民主化と公共事業の確立のために当時申請しておりました公営バス免許申請の取り下げと並行いたしまして10条に及ぶ協定をなしておるわけでありますが、この新しい議会で選出をいたしました市長委嘱にかかわる協議会の委員は5名でありますが、本文は10名になっているわけであります。これらの規約並びに協定書は当時それぞれの市議会において議決したものでありますが、市長は第1点として、この委員会の員数の制定というものについて議会に単行議案として、上程する考えがまずあるかないかということについてお尋ねをいたします。第2点は市長機関にかかわる委員会の性格でありますけれども、これは議会についてどのような責任を有しておられるのか。さらに料金値上げが新聞の報道によると市民の利用者の代表が参加してきめられたというふうにあるわけでありますが、それはたぶんに協定書の7項にあるものだと思うのでありまして、この重要な市民生活に影響を及ぼす事項の取りきめについては、やはり議会にはかり公聴会などの手続きをすることが適当ではなかったのかというふうに考えるわけでありますが、その点いかがなものであるかお尋ねいたします。 それから、その他の項で1点だけお尋ねをするわけでありますが、支所及び分科事務所の人員配置と職務分掌についてであります。これは現在市長の手元で作定されておられるだろうと思いますが、この支所並びに農林、建設分科事務所の作業、事務分掌というものは、条例に定められた事務を取り扱うことになると思いますが、その点をお尋ねをしておきます。 それから第2番目として本庁に支所から来る者、また支所に残る者、こういうものの区分け、これをひとつどういうふうな基準でなされるのか。 それから3番目として配置転換をされる場合、本人の意思というものはどの程度に考慮されるのかどうか。この点は重要な労働条件の変更に該当するものと思われますので、この点お尋ねするわけであります。以上をもちまして私の代表質問を終わります。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) 〔登壇〕15番鈴木議員のおただしの第1点大剣工業団地計画に関連しまして特におただしであります。いわゆるその地域は現在農業を経営しておる。こういうものが今度買収されたそのあとの農業経営、これらの生活設計はどうしていくのか、また大剣浜の漁業者も同様でありそれについて一体どういう方向づけをしていくのかというおただしであります。ごもっともでございまして、この買収にあたってはその地域に生活しているいわゆるこの生活基盤を失うことにならないように、その地域の住宅の営農のあり方、あるいは生活設計のあり方等について、十分今後立ちいくような方法を講じていかなければならん。こういう大きな地積の買収にあたっては特に意を用いなければならないのであります。なお、この点についてはむしろ県が買収するんでありますので、もしやるということになれば協力する立場で行くわけでございますが、同じ市民であります。その意味から申しまして、こういう問題の方策、今後行くべき道、地域はどこからどこまでを買うのか、農地はどれくらいつぶれるか、ぞれに対する農家はどうなってるかという状況を十二分に把握してそれを前提にして農家の更生なり、それから今後のあり方、発展できるような方策を講じていかなければならないと思います。そういう点において、具体的になりましたらわれわれとしてもこれに意を用いて地域内の住民がとまどうことのないような方策を講じたいとこういうふうに思うのであります。 次に、公害の問題で2・3おただしでございます。第1点は十条製紙勿来工場はノーカーボンペーパーの製造に専念するが、将来パルプをつくるという保障はないのではないか。その場合に公害が起こると思うので市長はどう考えてるかということでございます。十条製紙の方針としてはパルプは将来とも一切つくらない。現にパルプ工場として御承知のように東北パルプを合併しました。そして石巻周辺のパルプはそこでやる、それから高級なパルプは一部輸入によってやる。あそこにパルプ製造というものは将来とも考えてないという方針であります。われわれはその方針を信用する以外はないのでありますが、万一の場合どうするんだと言われても実際は困るんであります。十条製紙の内部的状況並びに社の方針ということをわれわれは十分見て、パルプ製造に向きを変えるようなことがあるとするならば十条製紙とあらためて協議をしなければならんというふうに思うわけであります。そういうことは、現在少なくても十条製紙の方針としてはないということをお話し申し上げたいと思うのであります。 次に、公害の実態調査の中で森林の被害等も相当広く出ているという中にあって、いわゆる公害処理機関にまだ委嘱していないということでございますが、これにつきましては勿来地区におきましては処理機関は設置いたしましたが、磐城地区における公害機関はなるべく早く整備して充実していきたいということを、私はこの際申し上げたいと思うのであります。4月中にはこれを整備していきたいとこういうふうに思うのであります。 次に、公害として海水汚濁による、ことに海産物の養殖でワカメ、アワビ等に被害をこうむっているがこれに対する処理はどうなってるのかということでございます。アワビ、ワカメ等について、ことに剣が浜地域については相当ありしかも良質の養殖をやってるわけであります。これについて被害があったということであります。これについてはまだはっきり汚濁による被害かを調査をしておりますが、われわれとしてはそういう化学的な調査の機関がございませんので、県の水産試験場にこれを委託いたしまして調査をしてもらっておるのでありますが、まだ、結論が遺憾ながら出ていないというのが実態であります。もし結論が出て、これは公害のための被害であるということになりますればこれについて十分被害の救済にあたりたいと、こう思うのであります。 それから将来、ことに小名浜地区における公害の防除のために、いわゆるグリーベルトを設定してそして公害から市民を守るということについてのおただしでございます。この点につきましは公害事業団等とも相談しております。これはばく大な経費がかかるのであります。詳しい調査の結果の資料ではございませんが、大体アウトラインを申し上げますと60億かかる。そのうちの4分の1は地元負担である。そういうことになると十数億の金になります。これを一挙に十数億出すということは問題であり、こういうことは国の機関として、私は公害対策についての措置を講ずべきもんでないかということを常に言っているのであります。逐次国の政策も充実されつつありますが、私としてはまだまだそういう処理について不満足なとこが多いのであります。もっと前向きに積極的に取り組んで公害防除のための政策を国の力においてやる必要があるのではないかと思うのであります。これは人家を相当の移転をしなければなりません。はたして、あそこに100メートルなりのグリーンベルトをつくったからといって公害がなくなるのかということもわれわれは化学的に研究しなければならんと思うのであります。60億かけるのはいいとしてもはたしてこれで公害問題が万全かということも調査をしなければならないと思うのであります。そういうことについては十分われわれは検討し、また調査をしておりますが、まだまだ不十分なところがありますので、そういう問題を引き続いて取り組んでいきたいと思うのであります。 それから公害対策審議会の答申はその後行なわれているのかというおただしでありまして、あの中でパ卜ロールを強化しろ、あるいは測定器を置けということを勧告されております。そういう測定器の設置とかパトロールの強化については今年度の予算に一部計上しております。むろんこれでは足らんので今後追加計上していきたいと思います。あの審議会の答申は、われわれは十分尊重していきたいと思います。ただ技術者を養成しろということでございます。技術者の養成については一挙になかなかできませんけれども、公害についての技術者を養成していく必要がありますのでぜひやっていきたいと思います。これは答申に沿ってぜひやっていきたいと思うのであります。 それから県立高校に対する寄付金の強要があるとこれは学校の救育の根本に触れる問題である。そういうことについては県に対して要請すべきでないかということでございますが、この点についてはたとえば学校の講堂建設についての寄付を受けるについて県としては自発的な寄付であるということでありますが、われわれは実質的に寄付を得ているわけであります。そういう点については機会あるごとに県当局に申し入れておるわけであります。県の財政が非常に困難であるということであればお互いに助け合いをしていかなければならないと思いますが、県の財政は今年度だけでも十数億の黒字であります。いわき市け大きな赤字を背負っておるわけであります。お互いに困っているということであれば十分考えられますけれどもそういう中にあって寄付というものを市町村の実態から引き上げるということについて、十分県としても考えてもらいたいということを注文しているわけであります。 それから職員の勧奨退職の問題でありますが、勧奨退職に応じなかった者は現職揚にとどまれるかとうということでございます。これはあくまでも勧奨に応じるか応じないかは最終的には本人の意思によって決定されるわけであります。しかしこれはあとで説明いたしますが、職場を変えるということについては、たとえば技術職員が事務職員になるというときの職種を変えるという場合は勤務条件の変更となりますが、甲の地域から乙の地域に転勤するという場合には勤務条件の変更であるとは考えておりません。そういうことは勤務条件とはならんのであります。職種を変えるときに勤務条件の変更になるわけであります。 それから国鉄の輸送力強化の問題でありますが、たとえば赤字路線を減らすとかなくすとかの問題があるやさきにいわき市としてどういうように考えてるのか、ことに無人駅をつくったりあるいは改札口を一部廃止するというようなことの場合の御指摘だと思うのであります。たとえば勿来の西改札口を廃止したいということを国鉄では考えてるということは聞いております。そうしますというと久保田地区から来るものが非常に不便を感じますので、そういうことのないように国鉄に強力に運動もし陳情もしていきたいと思うのでございます。なお、輸送力強化というか合理化をはかって地方住民に迷惑をかけることのないようにわれわれは国鉄の動きを十分見ながら十分手を打っていかなければならないと思います。国鉄の方針についてのうわさを聞いておりますけれども、具体的にこれこれについてこうやるんだということはわれわれもよく承知しておりません。おそらく国鉄の相当の幹部でなければわからない問題かも知れませんがそういう国鉄の合理化によって不便を講じないようにわれわれは万全の体制を整えながら国鉄に強力な働きかけをしなければなりません。 それからバス運営協議会は市の機関ではございません。御承知のように5市公営バスを提唱しましてその中に生れた運営協議会です。それは市と企業者である常磐交通との合同審議機関であります。市の審議機関ではないのであります。したがって、市の審議機関として設置するということであればあるいは条例化するという問題かございますけれども、これは市と企業者との協議機関であるという前提にお考え願いたいと思います。10名の定員でありますが、現在7名で3名の欠員になっております。これは市側から市長が委嘱しました7人と、常磐交通でも7人ということで、同数をもつて編成をしております。議会の側から5名、学識経験者として関係5市の市長がなっておったわけでありますが、現在は学識経験者は2名であります。それでこのことにつきましては人数10名をもっていくためには欠員を補充しなければなりませんので今後の問題とて研究していきたいと思うのでございます。 それから支所、出張所の事務分掌についてはどうかということでございますが、このことにつきましては臨時会の中で本庁、支所の事務分掌を明確にした条例を提案いたしまして御承認を得たわけでございます。その中で支所の配置、配分、事務分掌というものが明らかになっているわけでありますので、その点十分御検討いただきたいと思うのでございます。 最後にただいま申し上げましたように、支所の職員を本庁に持ってくる、あるいは本庁から別な支所に持っていくことは、これは職種の変更でない限りは勤務条件の変更ではないということを申し上げたいと思います。以上であります。 ○議長(志賀季三郎君) 15番。 ◆15番(鈴木勝夫君) 答弁漏れがあります。漁港の整備と漁業の業種別の組織の統合について。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) 答弁漏れして相すみません。漁港の整備につきましては鈴木議員も御承知のように、特に最近大型化されつつありますが、漁港の整備がされてない。たとえば水深が4メートルであるところが300トンの船になると水深が6メートルないし7メートルの水深が必要である。それか各港ともそれを要望しております。運輸省としてもあるいは県としてもそれを整備しなければならんが、一体どこから先にやるかということにつきまして関係の漁業者の団体と十分協議しております。いずれは各漁港よりの要望されているところは水深を深くして大型漁船を入れなければならないとしているが、どこからやるかというと各漁港とも1番先にこの魚港をやるべきだという要望があって意見の一致を見ておりませんが、これをいつまでもそうしておきますというと漁港の整備ができませんので、早く一番効果の上がるところからやっていきたい。これは県の仕事でありますが、やはり地元の市長として十分漁業関係者の意見を聞いて、そして県に進達をしていきたいと考えておるわけであります。 それから、第2の業種別の漁業協同組合の強化のために合併ということも考えられるんではないかということですが、これは御拓摘のとおりであります。この点については46年度までに県の方針としても合併したいという念願からいろいろ作業を進めているわけでございます。たとえば植田の漁業協同組合、小名浜の底曳組合と一般協同組合、江名にも同じものがあるわけでありますが、そういう漁業協同組への強化をはかりながら漁業の進歩母体にさせようと話し合いを進めております。しかし、団体同志のことでございますのでなかなか順調にいってないことは事実でありますが、46年度までに各組合の納得のいくような点で強化をはかりたいとこういうふうに思う次第であります。 ○議長(志賀季三郎君) 15番 ◆15番(鈴木勝夫君) 3点ほど再質問をいたします。まず第1点は勤務条件の変更でありますが、市長は職種が変わらなければ、通う所が変わってもそれは労働条件の変更でないということを言われたわけでございますけれども、それでいいんですね。………私は違うと思います。通勤することも1つの条件になっているわけでありますからね。これはいずれ私と市長の問題でなく、当事者が明快な答弁をされるまでお話し合いをされるだろうと思いますが、そこら辺のところは職種が変わらなければということの拡大解釈で非常に条件が劣悪化していくおそれがあるというふうに考えられますが、この点を重ねて確認をしておきたいと思います。 それから、バス運営協議会の問題でありますが、これはバス運営協議会の構成要因であって市の機関ではないという答弁であったわけですが………。バス運営協議会が発足した時代と現在とは非常に変わっているわけでございますけれどもその精神はいままで受け継がれて来たと思うのですが、一体バス運営協議会はどういうものかということになってくると思いますが、それはバス運協があってそこに役員が送られている。そうしますとそこに出ていく役員というのは公共機関の長、それしから議員ということになってきますと市に関係がないということにはならないのではないか。そこら辺のところをもう少し詳しくお話いただきたいと思います。それからいわゆるここできめてきたことは議会にもどこにも責任がないというふうに市長の説明を聞きますとなってくるわけでありますが、私どもはそういうふうにはまいらないのではないかと思います。少なくても議員あるいは市長という役職名で出ていくとすればそれらを構成する多くの人たちに対して非常に責任があるんではないかと思いますが、その辺もあわせてお尋ねしておきたいと思います。以上です。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) ただいま、私は職員の異動は勤務条件の変更とは考えられないということを申し上げました。そのとおりであります。職種が変わるということならば別ですけれども、通勤の一般常識の範囲であるならば勤務条件の変更とは言われない。ただ、遠隔地のため通うことができない場合、たとえばいわきから福島市に転勤するという場合には勤務条件の変更と解釈できないことはないわけですがいま申し上げましたように、たとえば草野から通う、これが四倉から通うにしろと、こういうことは勤務条件の変更でいちいち本人の承諾を得なければ発令できないということはないと申し上げたわけであります。 次にバス運営の協議会の問題でございますが、これは市とバス会社の協議機関である。市の機関としてできているものでなく、市のこたえとバス会社の言うこたえとの協議機関であって市というこたえの機関ではない、そういう構成上になっている。それについて市から選出せられた委員がバス運営について協議するという場合には、もちろん政治的責任は負うわけであります。ですから場合によって公聴会を開いたり、あるいはその他の方法で市民の意向を聞くという場合もあるわけでございまして、そういう中で出た問題を協議会でこういう方向をとろうじゃないかということを提案しまして、バス運営協議会はそういう方向もとられることはあり得るわけであります。もちろん市から選出せられた人としては、政治的な責任は一般的に負うというふうにわれわれは解釈をしているわけであります。 ○議長(志賀季三郎君) 暫時休憩いたします。  午後2時53分 休憩---------------------------------------  午後3時5分 開議 △鈴木裕文君代表質問 ○議長(志賀季三郎君) 再開いたします。休議前に引き続き代表質問を行ないます。48番鈴木裕文君。 ◆48番(鈴木裕文君) 〔登壇〕(拍手)48番鈴木裕文であります。私はいわき市公明党議員団を代表いたしまして、かねてより通告申し上げました順序のうち、第3番目の問題は一応先輩議員の方々の質問に対する当局の説明を了として、また4番、5番目の問題は同僚の佐川議員が明日の一般質問の中に繰り入れることにいたしまして、特に5番目の問題は佐川議員のその他の項に含めて御質問申し上げますので、1、2、6の3点について御質問申し上げます。 まず第1に大和田市長の政治姿勢についてであります。政治は政治理念を実際生活の中に具現し実現する技術であると思います。また政治は人であると言われるように人間が社会を構成しているところに政治があり、いかなる政治機構も、法律も、規則も、規定に至るまでそれを運用するのは人であります、その対象となるのも人であります。したがって、人間性を無視した政治であっては、それはすでに政治として成立しないのであります。このことは現在の政治の実態を冷静にながめて見ればおのずから明らかであります。現代社会を19世紀の社会形態から区分して大衆社会と呼ぶことが多いのであります。すなわち現代の社会は大衆を主体として、大衆を中心として政治体制、経済構造、社会形態、人間性が相互に関連し合っている社会であると考えなければならないと思います。こうした観点から見れば政治も大衆のために行なわれるものであり、大衆を犠牲にした政治であってはならないと存じます。しかしながら社会の歴史を振り返つて見ると、一方においては社会において政治的、経済的、文化的権力をもって繁栄する人々があると同時に、常に他方においてはその犠牲となって支配されている人々があまりにも多かったのであります。現代の社会を見ても大企業の繁栄の陰には多数の中小企業の犠牲があり、また資本家階級層が社会の富を独占しているのに対して労働者、農民階層が生活に苦しみ、貧困に悩んでいる無数の人々が社会の底辺を形づくっているのであります。このように社会の現実は一方の犠牲において、他方の繁栄があるという姿を明らかに示している。しかも、ここで注意しなければならないことはいかなる時代いかなる社会においても、常に犠牲となって来たのは、社会員の大多数を占める一般大衆であるという事実であります。したがってただ一人の犠牲もなくすべての人々が希望に燃え幸福になっていく政治、大衆福祉の実現を保障する政治こそが現在、最も強く要望されているのであります。当いわき市も2年有半のタッチゾーンに終止符をつげ、いよいよ大和田市政が33万市民の待望久しい暗黒の世界に曙光を見い出す時刻到来の感を深めて大いなる期待を寄せているのではないかと思うのであります。大和田市長の施政担当の最高責任者としての理念とその根本の姿勢についてお尋ねするものであります。古語に「前車のくつがえるは、後車の戒めなり」とありますように親の事業失敗の借金がその子に、孫の財産にまで波及し、あるいは継承され、借金を抜くまでは、貧乏を克服するまではと、耐之生活を余儀なくされてまいったように前時代的な姿は自治体にはあってはならないはずであります。この点についての市長の勇断のほどをお聞かせ願いたいと思います。 次に教育行政についてであります。父兄負担の軽減をはかるための教育長の行政指導とその効果についてお尋ねいたします。素朴な父兄の夢は、プールの建設も総合校舎の建設も、屋内体育館の建設もけっこうだが、これに関連して必ず寄付行為が行なわれ、しかも合法的に行なわれる行為があとを断たないとして、その反応が学区制の変更や総合学校問題、移転校舎の建設等にからむ用地取得の非協力という形で現われているのではないかと思うわけであります。父兄の根底にひそむ本問題の解決するとき、教育問題の当面する障害は除去されると考えるものであります。この種問題の乱調はPTA会費の存続にあると思うのであります。館山市においては全国に先がけてPTA会費を全廃して、従来PTAが負担していた営繕費は学校需用費でまかなっているという現状でございます。小中学校の教科書が無償配付されているという現在、いまや父兄の負担は軽減から全廃する方向づけの指導すべき段階であると思います。本件については市民サービスに万全を期する「あたたかく親切な市政の確立」であるという、確信に基づく市長の考え方をただしておきたいと思います。そのほかは教育長よりお答えを願いたいと思います。 最後に本庁舎の建設についてであります。本件については端的に質問いたします。家を一軒建てるにしても、立地条件、用地の問題、賃金の問題等と個人に例を取って見ても一生一代の大事業であり、一生かかっても検討だけで終わってしまう人すらあるほど重大な問題であろうと思います。何ゆえに私がこのような個人の例を引いたかと申しますと市長の人間性に立脚した考え方への警告として申し上げたのであります。われわれ議員は議案の提出のない案件の具体的審議はできないことは当然でありますが、市庁舎の建設は早晩検討されなければならないばかりかその建設は必須の問題であろうと思います。庁舎の建設については、その規模からして計画から実行の段階まで、また着工から完工までは相当の年数すら必要であろうと思います。先ほど御代議員の質問の際の市長の答弁は何か他人ごとのような印象を深くするものであります。市民の目は、市長、あなたのとるタクトの先に向けられているのであります。その注目をすばやくそらすような驚嘆するような不意打ち的行為はないと思いますが、現時点における本件についての市長の所信のほどをお尋ねいたします。以上でございます。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) 〔登壇〕鈴木議員のおただしの第1点は、市政を行なうにあたっての私の政治姿勢についてのおただしでございます。 鈴木議員の御指摘のように、市政を行なうのには市民大衆が主人公であるということでございます。まことにそのとおりでございます。33万市民の願望、また生活についての方向づけというものを真剣に、かつ市民の意思をそんたくをして市政を行なわなければならないのであります。ことに末端自治体である市町村というのは、いわゆる政治の段階として、また行政の組織として直接市民にタッチする機関であります。国、県というものは、段階的には市町村の上にある機関であるわけでありまして、したがいまして市町村の行政のいかんが市民の幸福に直接響くということではこれにこすものはないのであります。そういう意味から私も、この市政を行なうにあたってやはり市民の動向を十分に察知をして、そして市民の要望にこたえる気持でこれからもよく留意をしながら進めていきたいと思うのであります。その中にあって、たとえばタッチゾーン期間前からの累積せられたいろいろの困難な問題、一例をあげれば赤字の解消というところの問題につきましても、赤字解消に専念するあまり市民の要望を達成することができないということでは困るのであります。したがってこれは、やはり市民の要望に沿って積極的に仕事をしなければならないことはもちろんでございます。ただこの赤字というのは、やはりわれわれのちょうど一家の借金と同じようでございます。やはりこれを解消して健全な姿でいかなければならないのであります。昔の徳川時代には、いわゆる徳政というものがございました。将軍さまが自分の台所が不如意になるというと、借金の捧引きであるとか、あるいは大判、小判という貸幣をみな使えないものにして、そしてこの赤字を救うというようなことが歴史上徳川時代、北条氏時代にもありました。そのためには国民は極端な苦しみをしたのであります。しかしながら現在の市政においてはそういう手だてはありません。結局、これはどこかで解消をしなければなりませんし、そのためには十分に赤字解消をはかりながらしかも市民の要望に沿うような努力を重ねるというところにわれわれとしての苦心がそこにあり、同時にそれがいわき市における大きな課題であり、またそのことを達成しなければ市民は満足できないと、私はそのように考えるわけであります。そういう意味で今後とも単なる赤字の解消だけに専念するというようなことではなく、やはり市民の要望を聞きながら、しかもそれには浪費的経費を少なくし、かつ、これをなくすことはもちろんでございますが、消費的経費におきましても極力圧縮をして、そして積極的な市政を行なっていきたいと思うのであります。 次に教育問題についてでありますが、各学校の寄付等の問題について、いわゆるPTAその他に対して大きく振りかかっている現況を配慮することについてのおただしでございます。まことに私も同感でございます。そういう教育というものは、これは国、県、市の責任、負担において全部やるのが教育の本来の姿であると私は思うのであります。しかし現実には寄付というものがあるのでございます。もっともこの中には学枚をつくる、講堂をつくる、あるいはその他のいろいろな施設をつくるというようなことにいたしましても、どうしても市民の側から言えば、自分の子弟を通わせるのには一定の標準以上にしたいという念願からそれ以上のものを市に対して出せと言われても無理であり、結局PTAの負担となって、負担をするからやってくれたという現象がままあります。少なくとも教育行政に関しては寄付を基本として行なっていくということは今後のあり方としては最も望ましくないことであると考えております。今後逐次是正をしていくように努力したいと思うのであります。 次に本庁舎の問題でございますが、このことにつきましては先ほど申し上げましたように、行財財政審議会における答申の付帯事項として行政を円滑に能率的に行なえて、職員が本当に働きよいような雰囲気と場をつくるべきであると、そのためにも早く庁舎をつくるべきであり、こういう老朽枚舎の跡では本当に能率があがらないのではないかという御注告もあったわけでございます。そういう意味からもいずれは庁舎の建設に取りかからなければなりませんが、それにはやはり十分な調査とその構想を練っていかなければなりません。それが実現のためには相当の期間がかかりますし、またそのこと以前においては庁舎の位置の問題があります。これを決定した上で庁舎の問題がはじめて具体化され、構想がなり立つものと私は考えるのでございます。庁舎の位置を決定するについてはそういつまでもその時期ではないということでいるわけにはまいらないと私は思います。適当な時期において、私から何も正式に提案をしなくともそれ以前に議会等とも懇談を重ねながら、そして熟したところで庁舎の位置を決定いたしたいと思います。本庁舎の建築につきましては御指摘のように十分なる調査をいたしまして、そして実現に向かって努力をしていかなければならないと思うのであります。ことに庁舎の建設には相当の資金か必要でございます。このためには自主財源によつてこれを全部やるわけにはまいりませんし、起債を受ける必要もあり、とにかく多額の金額となりますので財源の確保のために諸般の事情をよく勘案しながら進めてまいりたいと、かように思う次第でございます。以上でございます。 ○議長(志賀季三郎君) 教育長。 ◎教育長(大和田道隆君) 〔登壇〕鈴木議員の御質問にお答えいたします。 父兄負担の問題について御指摘を受けたわけでございますが、この問題についての骨子は先ほど市長から御答弁申し上げましたのと同じでございます。ただ私どもとして非常に注意をしていかなければならないことは、やはり父兄負担の軽減については千葉県で行なわれたというような全廃というようなところまでいければまことにけっこうでございますけれども、とにかくこの軽減に向かって全力を尽くしていかなければならないという考えで、今後とも国、県、市ともにこれが教育費の確保ができるような努力をしてまいりたいと、このように考えるわけでございます。ただ先ほども市長のほうから御答弁がありましたが、問題ば市の財政とも関連があります。市の財政でなかなかまかない切れないようないろいろの教育予算、建設経費等の問題が起こってくるわけでございます。その例などを申し上げますと、先ほどもお話がありましたがたとえ私どもとしては、特に今後において学校の建築様式、あるいはプール等の建築様式につきましても、できるならば本当に子供たちに間に合う、ある程度質素ではあっても経費が安くあがって、立派な内容を備えたものをつくっていかなければならないと考えております。ところがそういうことがきまりますと、これはいち早く寄付を集めて今度つくるプールは自分たちのほうではこういうものをつくろうということになってまいります。現在議会に出ております来年度のプール建設費は、いわき市の場合には670万円でございます。県立高等学佼につくっているプールの単価は570万円でございます。いわき市のほうは100万円高額のプール建設費を計上しているわけでございますので、これによって私どもはくふうをしながらそれ以上はかからないような予算を現在はもっているわけでございます。ところが670万円もらうならば850万円のものをつくろうというようなことを私どもは多少耳にするものですから、そういうようなことはやめてもらいたいと、今度のプールの計画は一つの規格、一つの設計によって5つ6つものプールをつくれるようなことを市として考えているので、よけいに金のかかることは考えないでくれというようなことを言っておるわけでございます。いろいろな面についてそれに類したものもありますので、今後十分私どもも努力をいたしまして、父兄負担の軽減、そして教育施設の充実整備に向かって努力をしてまいりたいと思います。 ○議長(志賀季三郎君) 48番。 ◆48番(鈴木裕文君) 議事進行に協力をするために1点だけ再質問いたします。 教育長の答弁につきましては所属委員会においてやりたいと思いますが、できればその際に市の教育予算と従来行なわれてきた寄付との関係、たとえば小名浜小学校のプールは600万円であったが、PTAで200万円を負担をしたとか、あるいは別の学校では400万円の簡易プールであったけれども、これを永久プールにするために300万円を寄付によって出したというようなことが過去にもいろいろとあったと思います。また現在変な考え方から競争するような空気になっておるわけでございます。それは私が先ほど申し上げましたようにこういうはんぱな予算があるがゆえにそういうふうになっているのであります。いろいろなことがありますが私ども委員会の所属となっておりますので、のちほどにこれを譲りたいと思いますが、市予算に対してどのくらいの地元負担があったかという資料を出していただきたいと思います。 それから市長に1点だけお尋ねをしておきたいと思います。市民サービスの向上という見地からこのこともお答え願ったのですか、標準以上のものにするから負担がかかるのだという、そうすると老朽校舎の雨漏りは、あれは標準というか、どういうふうに表現をするのかわかりませんが、雨どいは木の葉が飛んで来てひっくり返ったり、校舎の形態は何とか整ったけれども雨漏りがするゆえに校舎の老朽化が急速になっているというような事例がたくさんあるわけでございます。こういうことが標準以上だということであればなぜ教育関係のみにこういう負担が行なわれるのか、言いかえれば受益者負担のようなものである。教育施設については当然のようにあてにされるような問題が道路とか他の問題にはどうしてないのか、あたかも行政の貧困さが父兄の責任であり、市民の責任であるというような考え方はどうしても了承しようにも了承できないものがある。あれほど雨漏りがひどくガラスがこわされ、児童が行動をすることすらも危険きわまるように放置されているものが、標準以上のものをつくるからどうしてもそういう負担がかかるというような、やむにやまれずに出したものを出したほうが悪いというような態度については納得がいきません。教育の問題についてはどの市民の家庭においても直接関係があります。そういう点についての温情ある市政こそ、むしろ住民サービスの向上であり、本当に市民に対して耳を傾け、はっきりと活眼を開いて市民の実態をよく観察してくださる市長の態度が本当の姿勢ではなかろうかと思うわけでございます。標準以上ということで単に文教関係を例に引きましたけれども、こういうことになりますと雨漏りも標準以上というふうに私は考えざるを得ません。そういうことについて一言でけっこうでありますからお答えを願って私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田彌一君) ただいま鈴木議員からの御指摘の、老朽校舎の雨漏りを防ぐことは、これは標準以上のものであるというふうにお取りであったようでありますけれども、そういうふうにお取りであったならば訂正させていただきたいと思います。私が申し上げましたのはただいま教育長から言われたように、たとえば特別教室が3つあればよいところを、これを5つくらいなければならないというような場合には、これは標準以上であるということで、そういうふうに申し上げたわけでございます。雨漏りをしているところを直すのが標準以上であるというふうに御解釈をなさらないようにお願いをいたしたいと思います。 それから老朽校舎の問題について申し上げますが、現在老朽校舎として正式に審査をして決定をしているものは、小学校で2万8,000平米ほど、中学校では1万3,000平米ほどございます。それから屋体では小学校で2,000平米くらいになっております。私としてはこれを一挙に直したいというのが念願でございますが、しかしこれだけの膨大な老朽校舎を一挙に直すことはなかなか困難であるので、これが進路をなるべく早めて、そして老朽校舎の解消にあたりたいというふうに考えております。また雨漏りを直すのに寄付をもらうようなことは絶対にないようにわれわれは努力したいと思います。--------------------------------------- △散会 ○議長(志賀季三郎君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。明日、午前10時この議場において市政一般質問を行なうことといたします。 本日はこれをもって散会いたします。  午後3時36分 散会---------------------------------------...